失敗した人を笑えばバチが当たる

── お子様と一緒に楽しんでいたトーマス。親目線で感じた魅力を教えてください。

 

YOUさん:どちらかというとアナログな乗り物のトーマスが、私たちが演じるファローナやフレデリコのような洗練されたライバルと“同じ線路の上”で戦うことからもメッセージが伝わってきます。

 

線路や景色を共有し、それぞれが違うやり方で挑む。自分が選んだやり方で失敗した人がいたらなぐさめる。笑ったりからかったりすればバチが当たるというシンプルなことが、レールの上で繰り広げられています。

 

子どもはメッセージやテーマについては最初はわからなくていい。トーマスの表情や動きから感じ取るだけでいいんです。むしろ観てほしいのは大人。上司と部下で観るのもおすすめだと思っています。

 

子どもは本作のメッセージを感じてくれるだけでいいと話すYOUさん

── 全方位に刺さりますね。

 

YOUさん:もちろんです。それがトーマスです!

 

藤井さん:昔はいなかった女の子の機関車もいて、価値観の変化に対応しています。子どもに観てもらうという大前提はありますが、女の子の機関車はどうして昔はいなかったんだろう、どうして今は当たり前なんだろう、そんなことを考えるきっかけを与えてくれる作品です。

 

考えるだけじゃなくて、例えば今回であればレースを通じて、レースに出ること、誰かを応援すること、負けたら悔しい、勝ったらうれしいという感情をシンプルに楽しんでいただけると思います。

 

<作品情報>
『映画 きかんしゃトーマス めざせ!夢のチャンピオンカップ』 
公開日:3月10日(金)全国ロードショー
(c) 2023 Gullane(Thomas)Limited.

 

取材・文/タナカシノブ