賛否があることがありがたい

── その後、地方局とキー局のバトル…のネタというか、絡みのような展開をテレビでときどき拝見しました。番組の流れでそうなった感じでしょうか?

 

馬場さん:番組に呼ばれたときに、大きな局と地方局のやり合いが見たいというテイストもあったと思います。お仕事で大切にしていることは、制作者の意図を汲み取ることだと思っています。制作者が、こういうふうにして欲しいと言われたら、なるべくそこに沿う。人が嫌な思いをしない程度に、ちょっとやり合ってみるかって、思ったんですよね。

 

── 馬場さんの本来の姿とギャップというか、そういった見せ方に対して違和感はありましたか?

 

馬場さん:あー、ヒール役をしないといけないこともいっぱいあるので、あのとき言った言葉が、テレビを介して観ると、こんなにきつく見えるんだとか。もうちょっと言い回しを考えなきゃいけなかったとか、視聴者に嫌な思いをさせないようなボキャブラリーを身につけなきゃいけないなって、反省する日も多かったですね。

 

今まで私がやっていた中継やロケとは違う見せ方やジャンルですし、勉強がまだまだ足りないな。日々反省をしています。

 

── 周りの反響も大きかったと思います。

 

馬場さん:アナウンサー同士でバトルしているような見せ方に対して、賛否両論が生まれたこともあるんです。そうだよなぁ、嫌だって思う人もいるよなぁ…って。でも、賛否が出るっていうことは、それだけ観てくださった方が多かったんだって、前向きにとらえています。賛否があるのがいちばん大切かと思っていて、どちらの意見もありがたいです。何より、番組を観てくださることが嬉しいですね。

 

PROFILE  馬場ももこさん

1991年生まれ。新潟県出身。佐渡テレビ、テレビ金沢でアナウンサーとして活躍。2019年4月からセント・フォースに所属し、フリーアナウンサーとして活躍中。

 

取材・文/松永怜 撮影/阿部章仁