たまたま同じ日に生まれただけ
── 双子だと周りがつい“ワンセット”のような見方をしがちです。
狩野さん:どうしても「双子だから」と言われますし、二人なのに“ひと括り”のように見られます。たまたま同じ日に生まれただけで、「別々の人間として見て、育てなきゃいけない」と意識しますね。
── 5歳ともなると、個性の違いもはっきりあるかと思います。
狩野さん:そうですね。妹のほうが、ちょっと感情を押し殺すというか、気をつかうタイプです。姉は“感情の赴くままに”という感じで、泣きたいときに泣くのですが、それを見て妹は「今泣いちゃいけないんだな」と我慢する、みたいな。
姉が「ママ、抱っこ」と言って、私が姉を抱き上げながら、妹に「来る?」と聞くと、「私は大丈夫」って。姉が満たされて離れていったところで、妹がゆっくりやって来て「私も抱っこしてもらっていい?」とこっそり聞いてくるんです。そんなときは「もちろんおいでー!」と言って抱っこします(笑)。
一方で、発表会などでは妹のほうが堂々としていて、姉はちょっと苦手。そんなふうに性格の違いはたくさんあります。でも、大人も日によって気分が変わるように、その場その場で変わったり、違う表情を見せたり…一概に言えないですね。
妹のほうが、急にハイテンションで「ママ、抱っこ!」と飛びついてくることも。「もしかして知らないうちに、入れ替わってる!?」と思ったりもします(笑)。
PROFILE 狩野恵里さん
1986年生まれ、東京都出身。2009年アナウンサーとしてテレビ東京に入社。『よじごじDays』『家、ついて行ってイイですか?』ほかに出演中。2016年レーサーの山本尚貴選手と結婚し、5歳の双子女児の母でもある。
取材・文/鍬田美穂 撮影/二瓶彩 写真提供/テレビ東京