「かっこいい仕事をかっこいい人がして、選ばれる会社になりたい」──起業のきっかけをこう話すのは現在、東海3県であわせて20の福祉施設を運営する(株)ビジョナリーの丹羽代表。現場で仕事にあたるスタッフは筋肉隆々の“マッチョ”集団でした。介護業界では異色ともいえる発想で、応募が殺到する理由を伺いました。

「筋トレと介護」にはこんな共通点が

2018年に入社し、現在、愛知県内で障がいを持つ方が利用するグループホームで介護の仕事をしている吉村裕也さん。大手自動車工場からの転職でした。

 

「利用者様は10代から60代まで、幅広くいらっしゃいます。最初の勤務先では誰かに感謝されることはあまりなかったのですが、今は直接、ありがとうを言ってもらえますし、何より楽しいです。実際に働いてみてこの仕事の魅力に気づきました」

 

利用者の方の体を持ち上げて車椅子とベッドの移動をするなど、力仕事も多い介護の仕事ですが、こちらの施設で働くスタッフの身のこなしが軽やかなわけにはある理由が。

 

介護スタッフとして働くビジョナリーのフィットネス実業団「7SEAS」メンバーの鍛え上げられた筋肉美!(写真中央が吉村さん)

筋肉隆々のスタッフたちは、フィットネス実業団と介護の仕事を両立しているといいます。

 

「筋トレをするときと利用者様を抱えるときの体の使い方は似ています。体の使い方を知っているので腰も痛めずに仕事をすることができます。何より、利用者様が安心して身体を委ねられますし、喜ばれますね」(吉村さん)

 

吉村さんは10時〜16時までの6時間、現場の仕事と各部署の管理を行い、1時間の休憩をして、17時〜19時の2時間はジムでのトレーニングに充てています。トレーニングも就業時間に含まれるそうです。

 

利用者の方の体を抱える際に腕の筋肉が目立つ吉村さん(写真右)

会社の福利厚生として、24時間営業のジムの利用料が無料。フィットネス実業団のスタッフは、プロテイン代が支給されるほか、大会の出場費用や交通費も会社負担です。

 

「他のスタッフの方も理解があるので、大会前などは身体を気遣う声かけをしてくれるなど、ありがたい環境です。また、利用者様の1日のスケジュールのなかにレクリエーションの時間があり、一緒に体を動かすと喜んでくださいます。

 

そのほかにも散歩へ出かけたり、地域のゴミ拾いをしたり、腰が痛いという方がいたら一緒にストレッチをすることもあります。

 

それに、ジムで利用者様に会うこともあります。僕たちに影響を受けて大会に出たいそうで、一緒にトレーニングをすることも。そういう姿を見るとさらに頑張らなきゃならないなと思います」

 

毎日トレーニングを欠かさない吉村さんの6つに割れた腹筋、通称“シックスパック”

吉村さんが介護の仕事を始めたきっかけは、代表との偶然の出会いでした。

 

「代表の丹羽と大会で出会い、SNSで繋がりました。そこで発信していることがおもしろくて、転職を決めました。もともと、介護分野には興味がなかったので具体的なイメージはなかったのですが、母親が介護の仕事をしていて、いつも疲れているのを見ていたので、大変そうだなとは思っていました。

 

母親からは『あなたが介護の仕事って、無理でしょ』と言われましたが、そこで火がついたというか、よしやってやろう!と思いましたね。今ではいちばん応援してくれています。メディアに出る機会も多いので、『見たよ!』と嬉しそうに報告をくれます」