10代の気持ちを察した宣伝のしかたを心がける

── ただ、古着を売るお店も多いし、簡単には売上がたたない気もしますが…。

 

山本さん:たしかに小さなお店なので扱う商品点数は限られます。でも、長崎には古着屋が少ないことと地元の人に古着の良さを知ってもらいたい思いで始めました。

 

古着の値段は1000〜3000円と設定してますが、学生にも古着を気軽に手に取ってほしいという思いからです。

 

大手のアパレルさんなら春夏など幅広い品揃えしますが、小さなお店なので扱う商品点数は限られます。

 

そのとき肌で感じる温度に合わせて、いまパッと買って着られる服をつねに販売をしていますね。

 

服も自分の足で買いつけに出向いて、いいと思ったものを売っていて。ほとんど自分ひとりで買いつけに行きますが、たまに母親や友だち、スタッフの子と一緒に行くことも。

 

無人販売には欠かせない精算機

それで「こんなのいいんじゃない?」と勧められた服で自分では「えー嫌だ!」と思うのもあるけど(笑)。

 

でも、他の人が選んだ服も入れておいたほうがいいのかな?と発見もあるので、定期的にひとりではなく誰かと買いつけに行くようにしています。

 

買いつけは2週間に1回、丸1日かけてみずからの足で服を仕入れに行っていますね。

 

── どうやって集客を伸ばしたのかが気になります。お店の告知や宣伝に関する対策をお聞かせください。

 

山本さん:1日の作業は30分程度で、ほとんどが宣伝に関する作業ですね。

 

私やお店を手伝ってくれるスタッフたちが着用モデルもしつつ、着用例の画像や動画をインスタなどのSNS上で流しています。

 

ただ若い子はしつこいのもやらなすぎも苦手で…。インスタを目にしてもらう回数やタイミングは考えながら投稿しています。

 

ストーリーが長すぎても見る気が失せてしまうし、簡潔に伝わるように短く紹介するのがとても大切。投稿頻度も毎日だとミュートされてしまうこともあって…。

 

でも、お客さんとの接点はそこだけ。だからお客さんの気持ちを意識して取り組んでいます。

 

あとは、私が動物保護に関わっていることから、そのつながりでお店の投稿を見てくれる人もいます。だから、動物保護の情報を知りたい人と古着について知りたい人、両方に見続けてもらえるようなバランスよく発信していく必要があります。

 

売上は動物保護に使うことを公表しているので、動物好きだけど何もできないと思っていた若い人が“古着を買うだけで動物保護に協力できて嬉しい”、と言われたときはとてもありがたかったです。