“なるようになるさ”で育児も仕事も進めていく

── 2人のお子さんを育てながら、精力的にお仕事をされていますが、仕事と子育てのバランスはどんなふうに考えていらっしゃいますか? 

 

寺川さん:あまり何も考えていないんです。もちろん、子どものイベントごとにはできる限り参加できるように、と思っていますが、どうしても叶わないときもあります。

 

たとえば、キャスターとして取材に行く場合、選手の体調やスケジュールが優先なのは当たり前のことですし、イベントなどの日程も、自分で決められるものばかりではありません。

 

ですから、あまり決まりごとを作ったり計画を立てすぎたりせず、“なるようになるさ”と、開き直っています。実際、それでどうにか回っているので、まあいいかと(笑)。

 

スポーツキャスターとしてさまざまな現場にも赴く

── たしかに、自分の立てた計画やルールに縛られて、つらくなってしまうケースは意外と多い気がします。

 

寺川さん:育児と仕事の両立に関しては、「これが絶対」というルールは決めないほうが、気持ちがラクでいられるんじゃないかなと思っています。

 

── 自分の気持ちが健やかでないと、家族にも笑顔で向き合えませんよね。今後のお仕事のプランやトライしてみたいことはありますか?

 

寺川さん:スポーツに携わるお仕事はずっと続けていきたいですね。私の人生のなかからスポーツを取り除くと、おそらく何も残らないので。

 

これまでの経験を生かしながら、水泳だけでなく、いろんなスポーツの普及に努めていきたいです。

 

あとは、食べることが大好きなので、「スポーツと食」を軸に、何かできればいいなあと、漠然と考えています。

 

アスリートは身体が資本ですから、私自身、長い選手生活のなかで食についていろいろと学び、実践してきました。

 

そうした経験も生かしながら、皆さんのお役に立つことができれば嬉しいですね。

 

PROFILE 寺川綾さん

1984年生まれ、大阪府出身。3歳で水泳を始める。近畿大学卒業後、ミズノに入社。2012年、ロンドン五輪100メートル背泳ぎで日本新記録を出し、銅メダルを獲得。2013年に現役を卒業。現在はスポーツキャスターをはじめ、多方面で活躍。

 

取材・文/西尾英子 画像提供/スポーツビズ