「私が現役のときとは違いますが…」と前置きしたうえで、寺川綾さんがアスリートとSNSの関係について話してくれました。誹謗中傷や炎上することもあるこの問題。寺川さんが投げかけてくれた言葉は、一般の人でも深くうなずける面がありました。
いまのアスリートはSNSとどう向き合えばいいのか
── 最近はSNSの普及もあって、アスリートへの誹謗中傷が問題視されています。寺川さんは、どう見ていますか?
寺川さん:難しいですよね…。私たちの現役時代と状況が変わってきていて、アスリートといっても、ただ競技だけをしている選手というのは、少なくなってきている気がします。
これほどSNSが普及しているので、アスリート自身もいろんな人とつながる機会が増えていて、それによって生まれる良い面もあれば、その分、リスクもあります。
利用するすべての人がマナーを守って楽しめればいいのですが、現実はなかなかそうはいかないので、そこは、自分自身でリスク管理をしていく必要があると思います。
── 試合前に、誹謗中傷を受けてしまうとメンタルに影響してしまいそうです。
寺川さん:そうしたリスクを防ぐため、試合前になるとSNSをやらない選手もけっこういます。
ただ、人によっていろんな考え方がありますし、許容度合いも違うので、一概には言いきれませんが。
── 寺川さんが現役アスリートのときは、どんなメディア対策をされていましたか?
寺川さん:とにかく、見ないのがいちばんだと思っていました。
ただ、海外遠征をして、そのまま大きな国際大会に向かうケースが多かったので、幸いにもメディア自体を目にする機会がほとんどなかったです。
実際、オリンピック期間中も自分の結果に対して、日本でどんな報道がされているのか、見ないようにしていましたね。
というより、本人としては、それどころではないので(笑)。