食べるだけじゃない!塩の便利な活用術
── さまざまな料理に使われる塩ですが、食以外にも役立つ活用術がたくさんあるそうですね。
青山さん:
ナチュラルクリーニングが浸透してきましたが、塩でできることがいろいろあります。
たとえば、お弁当箱についた匂いは、お湯をはって塩を小さじ1~2溶かしてひと晩おいてから、食器用洗剤で洗うと匂いがとれます。匂いが強いときは、塩と一緒にお酢か重曹を加えるといいですね。
軽い茶渋なら、塩をつけたスポンジでこすると落とせます。落ちないときは、お酢を加えたお湯でつけおきしてから、同じようにこすってください。
カーペットにジュースをこぼしたときは、すぐに塩をふりかけて塩に吸い取らせます。塩が吸い取ったら取り除くのを数回繰り返し、水分を吸わなくなったら掃除機をかけてください。最後に濡らしたスポンジで軽くたたいて仕上げると、シミが残っても気にならないくらい薄くなるはずです。
── 冬の体ケアに役立ちそうな使い方はありますか?
青山さん:
うがい薬の刺激が苦手な人は200mlの水に塩をひとつまみ入れてよく溶かし、ブクブクうがいをしてから、ガラガラうがいをします。水の代わりに緑茶を使うと、カテキンの殺菌効果もあり、より効果的といわれています。
鼻うがいは、体液と同じ塩分濃度にすると痛くなりにくいので、500mlの水に4gの塩を入れてよく溶かした塩水を使ってみましょう。
塩水は炎症の進行を抑える効果があるそうなので、のどや鼻のケアに活用したいですね。
── 美容系はどうでしょう?
青山さん:
バスソルトを使っている人も多いと思いますが、手軽にできる足湯もいいですよ。洗面器にお湯をはり、塩をひとつかみドサッと入れて溶かします。10分ほど足を浸すと血流がよくなり、ポカポカしてきます。
今の時期はブーツで蒸れて、足の匂いが気になる人も多いかもしれません。お弁当箱の匂いがとれるように、塩は匂いを吸着します。
塩に水やぬるま湯を加えてペースト状にし、匂いが気になるところに塗って、ラップでくるんでパックします。5分ほどおいたら、ぬるま湯でしっかり洗い流し、塩が長時間ついたままにならないようにしてください。
それぞれのジャンルで紹介したのは、ほんの一部。塩を使ったライフハックは、ほかにもたくさんあります。私たちの身近にある塩を有効に、上手に活用してもらえたら嬉しいです。
PROFILE 青山志穂さん
シニアソルトコーディネーター。塩の専門家として、国内外でのセミナー実施やメディア出演のほか、商品開発等のアドバイザーとしても活躍。著書に『日本と世界の塩の図鑑』(あさ出版)ほか。
取材・文/鍬田美穂 撮影/稲福哲彦 写真提供/青山志穂