パラパラ塩の「味つけ自己責任」で満足度アップ

── 適塩を実践するうえで家族の食事など、「それぞれ適切な量」を上手に調整するコツは?

 

青山さん:
まず調理で使う塩分を減らし、超薄味で料理を作ります。食事の際にそれぞれが料理をお皿に取ってから、好みの量の塩を指でつまんでパラパラかけ、味の仕上げをする「味つけ自己責任」のパラパラ塩や追い塩がおすすめです。

 

ポイントは塩を指でつまんで、パラパラかけること。小皿に塩を盛って、料理を上からつける方法だと加減がしにくく、つけすぎて塩分の摂りすぎにもなります。

 

人それぞれ塩分量が調整でき、家族で味の好みが違う場合にも「味つけ自己責任」なので、味が濃いとか薄いとかの文句は出ません(笑)。このパラパラ塩を実践して、適塩だけでなく「家の食事の満足度がグッと上がった!」という人が多いんですよ。

 

── 味を「決めよう」「仕上げよう」と思わなくていいなら、料理の手間も減らせそうです。

 

青山さん:
会社員時代に実施したアンケートでは、忙しいキャリア女性ほど薄味調理をして、食卓で味の仕上げをする人が多い傾向がありました。家事をラクにするためにも、おすすめです。

 

塩は種類によって味が違うので、数種類の塩を用意すると味の変化を楽しめますし、「この塩が合う」「こっちのほうが好き」など会話も広がります。

 

あと個人的には複数の塩を用意すると、映えるのもポイント。ただお肉を焼いてお皿に盛り、そばにシーズニングソルトなどアクセントになるものも含めて3種類くらい塩を添えると、それだけで映えるし、「料理デキる人」なビジュアルになりますよ。

 

肉料理に塩を添えている様子
肉や魚に塩を数種類添えるだけで見栄えアップ!

PROFILE   青山志穂さん

シニアソルトコーディネーター。塩の専門家として、国内外でのセミナー実施やメディア出演のほか、商品開発等のアドバイザーとしても活躍。著書に『日本と世界の塩の図鑑』(あさ出版)ほか。

 

取材・文/鍬田美穂 撮影/中村貴之、稲福哲彦 写真提供/青山志穂