健康志向のなか減塩を意識する人が増えています。いっぽうで塩は味の決め手になるだけでなく、体の働きに必要な成分のひとつ。シニアソルトコーディネーターとして「適塩(てきえん)」を提唱し、『免疫力を高める塩レシピ』(あさ出版)の著者でもある青山志穂さんに、美味しく、健康的に塩を活用する秘訣を聞きました(全3回中の1回)。

 

塩の専門家として企業や有名シェフとのコラボも多い青山さん

チートデイもOK!摂りすぎが気になったら…

── パーティーシーズンや年末年始は、食べすぎに加えて、塩分の摂りすぎを気にする人が多いと思います。

 

青山さん:
塩は体を正常に保つために、必要なものです。ただ、砂糖をなめ続けられる人はいても、塩をなめ続けられる人はいません。個人的には「ベロメーター」と呼んでいるのですが、しょっぱいものを食べすぎると、舌が受けつけなくなります。

 

落ち着いて味わいながらご飯を食べていたら過剰に摂取するのは逆に難しいくらいなのですが、食事に集中していないと、気づかぬうちに摂りすぎちゃうこともありますよね。

 

ダイエットでも「今日は特別!」なチートデイがあると無理なく続けられるものですが、お塩のコントロールも一緒。減塩を心掛けている人でも、どれだけ塩を摂ったかなんて気にせず楽しむチートデイがあってもいいと思います。

 

── チートデイの考え方はいいですね。それでも気になる人は、どうすればいいでしょう?

 

青山さん:
塩分は脂肪と違って、体にためておけません。食べすぎた翌日は量を控えるように、チートデイ後の食事で塩分を控えれば大丈夫。体の余分な塩分を排出するといわれるカリウムを含む、りんごやバナナを食べるのもいいですね。

 

塩分を調整する方向ではないですが、お酒の席では枝豆がおすすめです。

 

お酒を飲むとしょっぱいものがほしくなるのは、お酒に利尿作用があり塩分が排出されるため。枝豆にはアルコールを分解するのに必要な栄養素があり、排出されて不足する塩分も補えるので、塩味の枝豆はお酒との組み合わせに適しています。

 

「塩分を控えなきゃ」と考える人が増えていますが、正しい知識があればメリハリもつけられ、健康的に美味しいものを楽しめると思います。

 

シニアソルトコーディネーターの青山志穂さん
「減塩して味に満足できないと、食べすぎや間食につながってしまう」と、メリハリの大切さを教えてくれた青山さん