“いいね”機能がない訳
──「みてね」の利用者の中には、SNSのmixiを使っていた方も多いと思います。mixiのノウハウが「みてね」に活かされていることはありますか。
白岩さん:
リリースから7年たった今でもTwitterなどで「みてねってMIXIが作ってたんだ!」というツイートを見かけます。意外と知られていないようで、気がつかれた方は驚いてくださいますね。
家族だからこそ、ささやかな日々の子どもの成長をシェアしたい、そんな幸せなコミュニケーションを重ねていきたいという想いは強いと思います。それを実現するために、SNSのサービスのなかで培った「コミュニケーションをより良くしたい」という知見が活かされています。
友人関係を広めていくmixiと違って「みてね」は家族間のコミュニケーションなので、現在、あえて「みてね」には“いいね”機能がありません。家族にとっては、子どものどの場面もすべて、“いいね”なんです。
── 泣いても笑っても、何かができるようになっても失敗しても、どれもが成長の証ですよね。
白岩さん:
“いいね”機能が欲しいというご要望もいただくので、定期的に検討はしていますが、今のところは、あえて採用しておりません。家族のコミュニケーションを考えたときにどういう機能をつけるかは開発チームも繊細に考えています。
“いいね”機能はなくても、写真にコメントを残すことはできますし、コメントがなくても、みたよ履歴で見てくれていることはわかります。「みてね」を使って写真や動画を共有することで、離れていても見守ってくれているという実感は私自身も子育てをしている身として経験がありました。
また、コメントは、子どもへの愛情に溢れています。時が経ってから読み返すと、自分自身や見守ってくれていた家族のそのときの心情を思い返すことができます。家族からかけられた言葉は、子どもにとってもかけがえのない思い出になっていくのでは、と考えています。