── そこまで苦手なのですか!? ご両親は中国料理店を開いていたんですよね?

 

奥山さん:
そうなんですが、祖父も父も経営者側でシェフは別の人だったので、料理人のDNAは受け継いでいないんですよ。

 

いつも、空のタッパーを持っていけば料理が出てくることに慣れきっていました(笑)。

 

夫にも「私と結婚すれば、もれなくおいしい中華料理がついてくる」と言ったものです。

 

SNSなどで“失敗”した料理を披露することもある奥山佳恵さん
SNSなどで“失敗”した料理を披露することもある奥山さん

子どもたちに好き嫌いがない

── では結婚生活のなかで、炊事は大変なことでしたね。

 

奥山さん:
その代わりに、子どもたちに好き嫌いが生まれませんでしたね。

 

出されたものを食べなければ、代わりになるものはないので、彼らも決死の覚悟ですよ(笑)。

 

じゃがいもを柔らかくすることすら苦手なので、カレーに入っていなくても、誰も文句を言いません。

 

── 結婚するときや長男を出産するときに、仕事との両立で葛藤はありましたか?

 

奥山さん:
初めての出産は28歳のころで、仕事は好きでしたが、産まれた後にどうしようか決めようと思っていました。

 

そして、いざ出産した後は3、4日後に仕事をしたいというスイッチが入りましたね。私はやっぱり、自分を表現するという仕事が大好きなのだと思います。

 

次男を出産するときは、選択肢は考えず当然、仕事は続けるつもりでしたが、ダウン症だったことがわかり、公表するか否か悩みました。

 

でも、最後は長男の言葉で障がいの公表を決めました」

 

PROFILE 奥山佳恵さん

おくやま・よしえ。1974年、東京都生まれ。'92年『喜多郎の十五少女漂流記』でデビュー後は、ドラマやバラエティーなど出演多数。'01年に結婚。2児の母。著書に『眠れぬ森の育児』『生きてるだけで100点満点!』など。

取材・文/CHANTO WEB NEWS 写真提供/奥山佳恵