競技として注目を集めるようになってきた『eスポーツ』。オンラインゲーム『Shadowverse(シャドウバース)』の世界大会で優勝という輝かしい経歴を持つプロゲーマー・ふぇぐさんは、大会前には1日12時間練習することもあるそう!そんなふぇぐさんに集中力を高める方法や、子どもとゲームの最適な関わり方について聞きました(全4回中の4回目)。

ゲームに向いているのは「同じことを10時間できる人」

── プロゲーマーにはどのような人が向いていると思いますか?

 

ふぇぐさん:
シューティングゲームなどは反射神経も必要になりますが、それより大事なのは、何かに長時間熱中できる人。僕は大会前には10時間プレイしますが、ひとつのことをずっと10時間やることで見えてくるものがあるんです。

 

プロゲーマーを目指したいという人に僕は必ず、“1か月ずっと10時間ゲームをしてみて、それでも飽きなかったら目指せばいい”って伝えています。

 

プロゲーマー・ふぇぐさん
1日10時間プレイするという発言には編集部も驚き!

── ゲームに限らず、同じことを10時間続けるってなかなか難しいですよね。

 

ふぇぐさん:
練習時間の10時間って実際はそこまで辛くなくて、あっという間です。でも疲れたら5分でもすぐ休息を取ります。集中力が続いてないときの練習は、意味がないって思っています。

 

あとはゲームをすることを義務化しないっていうのが大事です。“やらなきゃいけない”だと、やはり続かないんです。僕にもゲームをやることが義務になっていた時期があった。でもそんなときは上手くはならないし、全然勝てなかったです。

 

── スランプの時期があったのですか。

 

ふぇぐさん:
ありました。自分の意見よりも周りを気にしすぎちゃった時期があったんです。でも今は気にしないようにしています。結局、心臓に毛が生えているようなタイプがやっぱりゲームでも強いんですよね。

 

── 連日10時間もプレイされていると、日常生活のなかで思わず“ゲーマーの癖”が出てしまうことはありませんか?

 

ふぇぐさん:
パソコン画面にカードがあると、ついついマウスでカードをタップしたり、なぞってしまったりする癖が出ますね。配信だと画面上でも落ち着きなく見えてしまうので、やらないように気をつけるようになりました(笑)。

 

── ちなみに気分転換の方法はありますか?

 

ふぇぐさん:
ストーリーがあるゲームも好きなんですが、長時間かかるのでできないんですよ。だから代わりにゲーム実況を観ることも多いです。最近は『ABEMA TV』の麻雀番組『Mリーグ』が好きでよく観ています。

 

プロゲーマー・ふぇぐさん
「プレイに集中できる環境を整えることを大事にしている」と話す

── プロゲーマーとしての今後の目標はありますか?

 

ふぇぐさん:
以前は、世界大会2度目の優勝が目標だったのですが、今は世界大会がないのでチーム戦を頑張りたいです。個人で世界大会優勝やプロリーグ、そしてMVPも獲っていますが、まだチームの年間優勝を経験していないので。リーグ戦は前後半と分かれていて、後半だけ優勝したことはあるんですが。今度は前後半両方で優勝して、年間優勝を狙いたいですね。

 

── チーム戦とは具体的にどのようにして戦うのでしょうか。

 

ふぇぐさん:
基本的には、プロリーグの前にはチームで練習しています。試合をシミュレーションしてアドバイスもしますし、チームメンバーと“こっちを選んだほうがいいんじゃないか”ってお互い言い合っています。本番は個人戦ですが、事前準備はすべてチーム戦で取り組んでいますね。