「ADHD 通常級 迷惑」で検索 小学校進学前の葛藤

── 小学校進学にあたっては、一般的な通常級とサポートを受けられる少人数の支援級(特別支援学級)、どちらを選択したのでしょうか。

 

森中さん:
すごく悩みましたが、私は支援級を希望していました。当時の長男はかんしゃくがひどかったし、お友達に手をあげては私が謝る、ということを何度も繰り返していたので、このままでは無理だろうと。

 

性格的にも「俺ってすごい」というタイプなので、通常級に入った後でやっぱりダメで支援級に行く、という流れだと挫折体験になってしまうのでは、という心配もしました。

 

ただ、支援級に行くためにはADHDと診断されなければならない。それできちんと検査を受けて年長のときにADHDと診断されました。

 

森中さんの長男(年長冬ごろ)

── では支援級に?

 

森中さん:
いえ、そこから就学相談などの話し合いを重ねるうちに、意外なことに「長男さんは通常級に行って、みんなのなかで伸びたほうがよいと思います」という判定が教育委員会から出たんです。

 

それを受けて私たち夫婦も話し合いを重ね、長男の可能性を私たちが勝手に決めつけてはダメかもしれないと考えるようになりました。

 

当初は「まずは支援級に行って、大丈夫そうであれば通常級に行けばいい」と思っていました。ですが、そう思う時点で、私たちのなかに「通常級のほうがいいものだ」という思い込みがあったことにも気づきました。

 

本人が「通常級がつらい」と感じるときが来たら、そのときは支援級に移ればいい。

 

通常級と支援級、どちらにいても親である私たちがちゃんとサポートしてあげればきっとなんとかなる。そう思えてきたので、通常級へ行くことを決めました。

 

ただ、決めたら決めたで不安が増幅してしまって。「ADHD 通常級  迷惑」といったキーワードで夜な夜な検索して、26ページくらい全部の検索結果を見ていました(笑)。

 

子どもの前では笑顔だが長男の進路には悩んでいた