農業界で異業種から家業を継いで注目されてきた宮治勇輔さん(44)。慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、人材派遣会社を経て、実家の養豚業を継ぎました。自分のような農家に生まれた人を実家に戻したいとNPO「農家のこせがれネットワーク」を立ち上げ、14年活動もしてきました。今では農業に限らず、すべての産業の事業承継を支援しています。

農家の二代目の就農をうながす

── そもそも「農家のこせがれネットワーク」とは何でしょうか。

 

宮治さん:
都心で働く農家出身者を実家に返し、家業を継いでもらう取り組みです。全国各地の農業者と繋がり、かっこよく稼げる農家を、都心で働く農家出身者に見せて、実家に帰りたい気持ちにさせようというものです。

 

お節介かもしれませんが、日本の農業を元気にするには、新規就農者を増やすだけではなく、実家が農家の若者に農業に戻って関わってもらうことが重要だと思ったんです。

 

── これまで、どのような活動をしてきたのでしょうか。

 

宮治さん:
農家の人に飲食店でお客様に思いを話してもらう「農家ライブ」をしたり、麻布十番で農家出身者たちが飲食しながら話す交流会をしたりしました。そのほか、賞金100万円を用意した「スター農家発掘オーディション」などの都心で農業を盛り上げる活動をしていました。

 

笑顔で話す宮治さん

── もっとも苦労した点は何でしょうか。

 

宮治さん:
どこに農家出身者がいるかわからなかったので、働きかける場所を見つけることが難しかったですね。でも、ネットワークの活動をしていると、実家に戻って農家になろうか悩んでる人たちのほうから私たちの活動を見つけて、話を聞きに来てくれました。