転職後に初めて明かされた「妻が抱えていた不安」

── ご希望を叶えて新たな仕事に取り組んでいますが、アナウンサーの仕事にもやりがいを感じていた印象があります。

 

原田さん:
非常にやりがいのある仕事ですし、会社や仲間にも恵まれていたと思います。それでもアナウンサーは非常に不規則な生活で、夜の番組を担当していると深夜の帰宅になり、なかなか子育てに参加できません。

 

それこそ、災害が起きたりしたら、家族を守るより会社に行かなければならない仕事です。アナウンサーとして、視聴者のみなさんに情報をお届けすることでお役に立てたり、命を救うことにつながったりできればと、使命感を持って働いていました。だけど在職中は決してそんな素振りを見せなかった妻が、転職後に明かしてくれたことがあって…。

 

── 奥様はどんな話を?

 

原田さん:
「幼い子どもがいて、災害時に夫が会社へ行くことが、本当はすごく不安だった。今はそういうときに一緒にいられて嬉しい」と言われて、ハッとしました。家族を不安にさせていたことは申し訳なかったし、仕事に集中できるよう黙って耐えていてくれていたことには感謝しかありません。

 

今の職場はリモートワークもできて出社は週3日ほど。フルフレックスなので保育園の送迎もできるし、家族との時間を大事にできる環境でありがたいです。まだ小さい娘の成長をそばで見守れる時間も増えましたし、それだけでも転職して、本当に良かったなと。

 

元テレビ東京アナウンサー原田修佑さん
開放的なエントランスの一角。「オフィスをPark(公園)と呼ぶ会社なんです」と原田さん

“かわいい”がすぎて「我が子は実況できない」

──「実況ベイビー」で、多くのお子さんの様子を実況しています。ご家庭では、1歳半の娘さんの様子を実況しているのでしょうか?

 

原田さん:
自分の子どもは実況できませんね(笑)。

 

生まれる前は、「絶対に実況する!」と思っていたんです。でも娘を前にすると、赤ちゃん言葉じゃないけど「かわいいね〜パパだよ~」という感じで、もう「かわいい」しか言葉が出てこない(笑)。語彙力が崩壊して、まったく実況になりません。

 

── わかる気がします(笑)。でも「実況ベイビー」で、よそのお子さんの実況はするのに「うちの子にはしないの?」と奥様に言われたりしませんか?

 

原田さん:
言われません。むしろ以前、動画を撮りながら「○○でございます」と実況風に説明していたら、「うるさい」って言われちゃって…。妻は「実況ベイビー」の活動は応援してくれているし、アイデア出しなどの協力もしてくれるけど、僕の実況自体にはあまり興味がないみたいです(笑)。

 

── その反応はちょっと寂しいですね。

 

原田さん:
すごく寂しいです。先日も娘を抱っこしていたら、スマホで撮影してくれたのでポーズをとったのですが、写真を見たら娘のアップで僕はフレームに入っていませんでした。

 

娘はかわいく写っていたけど、妻の僕に対する興味のなさが写真に表れていて、悲しくなっちゃいました…(笑)。

 

── 娘さんのかわいさに目を奪われて、ついフォーカスしてしまったのでは?

 

原田さん:
どうなんでしょうね。娘が生まれる前、僕の愛情は100%妻に向けられていました。子どもが生まれたら、それがどう変わるか心配していたけど、妻への愛はそのままに、娘にも100%の愛が湧いて「愛が倍増した」と感じています。

 

だけど妻は娘99%、僕1%になってしまい…。仕方ないですよね。子どもを産んで大変だし、娘はかわいいし。でも贅沢は言わないので、もう少しだけ僕にも興味を持ってくれたら…と。

 

元テレビ東京アナウンサー原田修佑さん
「妻にはもう少し僕にも興味をもってほしい!」と話す原田さん