反響をダイレクトに受け取れる喜び

── 小さいお子さんのかわいらしい動画に、真に迫った実況が絶妙な「実況ベイビー」。投稿を開始すると、すぐに大きな反響がありました。

 

原田さん:
ありがたいことにたくさんの方に見ていただけて、多くのメディアに取り上げてもらいました。個人として始めたことですが、社会的にニュースになるような活動になったのは、素直に嬉しかったですね。

 

それ以上に大きな喜びは、コメントなどでダイレクトに感想をいただけることです。アナウンサーの仕事では、視聴者の方の反応を直接お聞きする機会がなかったので、コメントをもらえるのが大きなモチベーションにつながっています。

 

── SNSやYouTubeに多くのコメントが寄せられるのは、励みになりますね。

 

原田さん:
反応が伝わることに加えて、感想のなかには「動画を観て子育てが楽しくなった」「育児は大変だけど、前向きな気持ちになれました」と、当初考えていた思いが実ったと感じられるコメントもあります。

 

「実況ベイビー」は仕事ではありませんが、そうした声をいただけて、お金以上の価値というか、自分の培ってきたスキルが人のためになっていると実感できるのも嬉しいですね。

 

元テレビ東京アナウンサー原田修佑さん
テレビ番組とは違う自然体な雰囲気で話す原田さん

実況はあくまで“つけさせてもらっている”

── アナウンサーとして局に所属している間は、お名前を伏せた形で活動していました。

 

原田さん:
一応、匿名でやっていたものの、声ですぐバレてしまいましたね(笑)。

 

会社に許可をもらっていた活動とはいえ本業への配慮もありましたが、「実況ベイビー」については顔を出す必要性はないと考えていました。

 

── 子ども向けの人気番組『シナぷしゅ』では、ひーたんの声も担当していました。個人的には「ひーたんの声の人」というアピールがあっても良かったのでは、という気もするのですが…。

 

原田さん:
ひーたんは、また全然違う声でやっていましたから。

 

「実況ベイビー」の主役は子ども。それに保護者の思い出になるものというのが大切で、原田がやっている、どこぞのアナウンサーやっているというのは、むしろ必要ない。僕の顔や名前を出すと、どこか色がついてしまうし、自分を出したくなってしまうと思ったので、あえて匿名にしました。

 

確かに「実況をつけている」コンテンツですが、僕としては“つけさせてもらっている”という意識が強いです。

 

元テレビ東京アナウンサー原田修佑さん
転職先はAIを使った学習システムを提供する企業で、職場には教材が多数並ぶ