憧れの暮らしをしているインスタグラマーのみなさんに、暮らしを彩るインテリアを教えていただきます。今回は、業務用製品をインテリアとして取り入れているmayo(@aiuieio)さんにお話を伺いました。

mayo(@aiuieio)さんの業務用アイテムを愛する家

家族4人が暮らすのは、木の素材を生かした3LDKの一戸建て。

 

インテリアも木の素材をメインにしながら、ステンレスラックなど業務用製品や工業用品を各所に取り入れています。そのため、温かみがありながらも随所に男前な雰囲気があり、調和のとれた空間になっています。

 

mayoさんが自宅に業務用のアイテムを取り入れている理由は、学生時代にさかのぼります。建築を学ぶなかで建物や街並みを巡り、次第に廃墟や工業団地に興味を持つようになったのがきっかけだそう。

 

「特に何に惹かれていたのかと考えると、建物自体もですが、“メンテナンスしやすいように外付けされたダクトや機器、配管そのもの”に惹かれていました。

 

ダクトなどは耐久性を求めて完成された物ですが、古い建物では経年変化でサビや老朽化した部分も多くあり、その“経年変化した部分”こそが私には素敵に見えていたんです。

 

工業用品や業務用製品は、そういった経年変化をしても機能性と美しさを兼ね備えた逸品なので、家にも取り入れない訳にはいかないと思ったんです」

 

そうして、自宅にインテリアとして取り入れられた業務用製品。でも、アイテムによっては重厚感があったり無機質すぎたり…取り入れるのには難しそうですよね。

 

しかし、部屋に馴染んでいるのには、mayoさんならではの素材感のバランスに秘密があるようです。

 

mayoさんは、温かみのある木製家具、植物やファブリックに対して、クールな印象のステンレス、モルタル、スチール製などのインテリアを近くに置くことで、異素材同士の魅力を引き立たせるようにしているのだそう。

 

「私が好きな素材感のバランスは、ナチュラル5.5対クール4.5くらいですね。重厚感のある木製家具の近くには、きゃしゃなパイプ脚のスツールを置いたりして比重の調整もしています」

 

この細かな調整が居心地のよい均衡を生み出すポイントになっているんですね。

キッチンで大活躍の業務用ラック

mayoさんが自宅の業務用アイテムの中でも特に気に入っているのが、キッチンの吊り戸棚です。

 

右側の戸棚は業務用厨房機器メーカーのシンコーで購入したもの。

 

「上の引き戸の部分は収納力があり、開けていてもかっこいい所がお気に入りです。下のパイプ棚は、キッチンツールを吊り下げたり、しっかり自然乾燥させたい食器を置いたりできます。マグネットがつくので、フライパンなどを洗った後、好きな所にマグネットフックを付けて吊っています。そのまま乾かせるのですごく便利です」

 

左側の正方形のラックはHAYのもので、バランスよく細かく区分けされており何を入れてもサマになるのがお気に入りなのだそう。

 

キッチン自体もステンレス製にし、“厨房感”を出したいという希望を実現しました。

 

キッチンには、手作りのカウンターもあります。

 

水屋箪笥を上下で分割し背を合わせて並べ、その上にモルタル天板を設置したもの。

 

水屋箪笥は日本のアンティーク家具を扱う古福庵で購入した大正から昭和初期のもので、天板はtoolboxで購入しました。

 

もとが水屋箪笥であることもあり、とにかく収納力抜群!

 

「キッチン側には間仕切りが3段あり、食器やコーヒーグッズなどを収納しています。ダイニング側は、下に引き出し4つと2段の棚があります。子ども達の着替えを少しと、ティッシュ箱や手拭きシートのストックや文房具、子ども達の書類をまとめて収納しています」

 

このカウンターのおかげで料理の準備がスムーズになったのはもちろんのこと、食事やコーヒータイムを楽しむ場にもなっているのだそう。子ども達が成長したらごはんやお菓子作りを一緒に楽しみたいとmayoさんは考えています。

存在感も機能性も抜群の靴箱

mayoさん宅でもうひとつ注目したいアイテムが、玄関にあるこの業務用の靴箱です。

 

「扉を開けると、ステンレスの中棚があり、4列×6段×2と合計48足も入る大容量。フルオープンの靴棚と違い埃が被りませんし、各扉には通気孔があるため通気性もあります。造作靴箱を工務店にお願いするより半額ほどにコストダウンできました」

 

業務用の靴箱を自宅に取り入れるそのアイデアはなかなか思いつかないですよね。しかし、その機能性やメリットを聞くと納得です。

船舶用のラックで清潔な洗面所

mayoさんの家には、洗面所が2か所あります。

 

こちらは帰宅後すぐに手を洗えるようにと設置した、玄関の洗面所。

 

広くて水はねが少なくとても使いやすいというTOTOの実験用シンクに、toolboxで購入したという船舶用のワイヤーラックを合わせています。

 

「泡石鹸ボトルや掃除用タワシなどシンク近くに置きたいけど、浮かせたくて。タワシやスポンジの水切れもよく、石鹸ボトルの底はヌメる事はありません。素材がステンレスで細いので圧迫感が無く、レバーハンドルと統一感があり清潔感が出ました」

 

シンク部分が質実なものの組み合わせの分、上の棚にはルームフレグランスなどお気に入りの小物を置いて華やかに。こちらもバランスが取れた空間になっています。

海外風なリビングの小上がりスペース

リビングの一角には、1階の収納を増やすために作ったという小上がりのスペースがあります。

 

白壁や押し入れ収納の木の扉、スチール製のスツールや壁付扇風機の組み合わせにより、西海岸ぽさのあるリラックスした雰囲気に。

 

木片を組み合わせたパーケットフローリングは無垢材です。

 

「工務店のモデルハウスで無垢パーケットフローリングがとても素敵で、足触りがよかったので採用しました。座ってくつろぐ小上がりスペースにパーケットを使うことで、手で触れながらリラックス出来そうだと思いました」

 

今、このスペースは主に子どもたちがおもちゃを広げて遊ぶ空間として使用しているのだそう。

 

「押し入れ収納や小上がり下の引き出しにおもちゃを収納しています。また、大人は腰掛けるのに丁度良い高さなので、リビングダイニングの団らんスペースとしていい役目となっています。子どもがおもちゃを卒業する頃には、また違った使い方を楽しみたいと思います」

 

 

業務用・工業用のアイテムを自宅に取り入れ、なおかつ他のインテリアと上手に馴染ませているmayoさんのアイデアには驚かされます。隅々まで行き届いたインテリアへの愛が作った、優しく心地いい住まいです。

 

PROFILE mayoさん

家族4人暮らし。工業用・業務用アイテムを取り入れた自宅のインテリアをInstagram(@aiuieio)で発信中。

取材・文/阿部祐子