シンガポールでの生活「車の運転中に…」

── 海外生活で、文化や宗教の違いを感じることはありましたか。

 

中野さん:
シンガポールは多民族国家なので、人種も宗教もさまざまな方がいらっしゃいました。食べ物に関していうと、インド系、中華系、イタリアンなど、幅広く楽しめましたね。

 

当時、ムエタイを習っていたのですが、先生がイスラム教徒で、断食中にレッスンを受けたときに、日中に食事も水分もとっていらっしゃらなくて。すごく疲れているように見えたのですが、宗教でここまで違うんだと目の当たりにしたことはとても印象に残っています。

 

国際色豊かな友人たちとビーチを訪れた中野さん(写真右手前)。シンガポールでは人種や国籍を問わずたくさんの出会いがあった

── 生活面で、苦労したことはありませんでしたか。

 

中野さん:
シンガポールは街がすごく綺麗なのですが、虫のトラブルには苦労しました。車を運転中にエアコンの送風口から虫が飛んで出てきたこともありました。

 

虫が発生しやすい気候なので、週に1回、ペストコントロールといって、マンションの下で害虫駆除の薬剤を撒くんですが、ちょうど駐車場に車を停めていたので、虫たちが車に避難してしまったみたいで。

 

自然豊かな場所が多いシンガポールは、子連れもウェルカムなので外出する機会も多かったという

── 虫にご苦労されたとのことですが、シンガポールの良さはどんなところですか。

 

中野さん:
日本人にも優しくしてくださいますし、日本人が話すカタカナっぽい英語のほうが伝わりやすいなんてこともありました。シンガポールには中国語と英語の両方を話せる方が多いのですが、アメリカから帰国したネイティブスピーカーの友人は、「自分の英語がなぜか伝わらない」と困っていました。

 

生活はしやすかったです。子どもが産まれた後も、段差が少しあればベビーカーの補助をしてくれたり、電車の座席もすぐに譲ってくれたり。レストランで食事をしている際に子どもが泣いてしまったら、スタッフの方が来て抱っこしてあやしてくれて、その間に「食べて、食べて!」と言ってくれることも。子育てにもとてもいい環境でした。

 

どこに連れて行っても子どもを歓迎してくれますし、子連れで楽しめる場所がたくさんあるので、もう少しコロナが落ち着いたらまた家族で行きたいと思っています。

 

長男と水遊び中の中野さん。シンガポールは子どもと一緒に楽しめるスポットがたくさん