SNSでの反響を力に変えて再チャレンジ
絵を仕事にすることを断念し、まったく別の仕事をしていたsekoさんですが、就職先を辞め、「思いきって1年だけ本気で絵を描いてみよう」と決断します。
「趣味で描き続けていたのですが、SNSで自分のイラストを見てくれる人が増えてきたことが、本気でやってみようと思ったきっかけです。
多少でも波に乗れたのなら、その波に乗ってみる。その上でダメだったらダメで、スッパリあきらめようという気持ちでした」
再び、好きな絵を仕事にすることにチャレンジしたsekoさんは、イラストレーターとして、大手クライアントや出版社との仕事を獲得します。さらに仕事以外でTwitterに投稿していた「マダム」シリーズが人気となり、小学生の頃から憧れていた漫画家の夢も叶えました。
「確かに夢を叶えたのかもしれませんが、本当に運が良かっただけだと思います。
もし、過去の自分に話しかけられるとしたら、『あなたは十分頑張っているけれど、きちんと勉強をして、自分を大切に、謙虚に生きてください』と言いたいです。過去の自分は夢が叶うと知ったら、絶対調子に乗るタイプなので(笑)。
驕らず、謙虚に、関わっている人への感謝を忘れずに、必要な勉強をしていくのが、夢への一番の近道だよ…と、アドバイスしたいですね」
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一度は、ネガティブな声に捕らわれてしまった経験があるsekoさん。その呪縛を乗り越え、好きを仕事にできたからこそ、「やりたいことやるの大事」「好きなの着ていいのよ」というメッセージが多くの人に届くのかもしれません。
取材・文/鍬田美穂 写真提供/KADOKAWA『マダムたちのルームシェア』©️seko koseko