体調と向き合い、傾向を把握するのが大事
── 天気痛のリスクを高める気圧の変化が複数あり、症状も人によって異なります。天気痛とは、どうつき合えばいいのでしょう?
大塚さん:
気圧は、天気のように目で見て確認できませんし、気温のように肌で感じることも難しいです。ご自身の体調と向き合いながら、予報や気象情報を活用してもらい、どういうときに症状が出るのか?パターンを把握することが、大切だと思います。
アプリでは「わたしの天気痛メモ」という機能もあり、天気痛の症状が出たときのことを記録できます。
記録を続けると、症状が出たタイミングの天候や「天気痛予報」との関係性が比較できるので、ご自身の傾向を把握するのに役立つと思います。
パターンや傾向が見えてくれば、週間天気予報を見て「この日は天気痛になりそうだから、仕事を調整しておこう」など、スケジュール管理がしやすくなるかもしれません。症状の出る気象条件を把握し、対処法を身につけられれば、天気痛と上手くつき合うこともできるのではないかと思います。
── 今後、天気痛の予報をどう進化させたいと考えていますか?
大塚さん:
利用者の方から「予報が当たって、助かった」などの声をいただくと、本当に嬉しくなります。1人でも多くの方に役立つ予報ができるように、日々頑張っているところです。
開発段階からのデータ収集や検証を重ねてきた期間は、現在までで4年ほど。2020年に「天気痛予報」をリリースし、多くの情報を収集できる環境になってからは2年経ちました。でも天気痛自体、解明されていないことがたくさんあります。
その上、天候は年によって大きく変動します。気象データとの相関関係を割り出し、特定するには多くの時間やデータが必要なため、天気痛の予報はまだまだ始まったばかりの印象です。
まだ時間はかかりますが、一般の天気予報のようなエリアごとではなく、パーソナライズした予報を目指しています。データ収集や検証を重ね、個人の症状や気象条件に合わせたピンポイントな天気痛のリスクを予報し、お届けできるようにしたいですね。
取材・文/鍬田美穂 写真提供/ウェザーニューズ