主に気圧の変化による影響を受け、頭痛や関節痛などさまざまな症状が出る「天気痛」。解明されていないことが多いものの、2020年3月にリリースされたウェザーニューズ「天気痛予報」では、天気痛が起きるリスクを予測し、さまざまな形で情報発信しています。ウェザーニューズ予報センターで天気痛予報を担当する気象予報士の大塚靖子さんに、天気痛の傾向について聞きました。
小学生が天気痛で登校に支障が出るケースも
── 天気痛は人によって症状が異なりますが、どういう症状が多いかなどの統計データはあるのでしょうか?
大塚さん:
2020年6月に、ロート製薬とウェザーニューズが共同で、1万6482人を対象に天気痛に関するアンケート調査を行っています。
最も多かったのが「頭痛」(51%)。次いで「肩こり・首こり」「関節痛」(10%以上)で、そのほかには「腰痛」「だるい」「めまい」という症状も。1%以下ですが、「眠気」「吐き気」「むくみ」といった回答も見られました。
── 性別や年齢による、傾向の違いなどはありますか?
大塚さん:
女性のほうが圧倒的に多く、天気痛の症状があると自覚している人は、男性では20%にとどまっているのに対して、女性では43%でした。「天気痛を持っている気がする」という回答との合計では、男性は47%で半数以下ですが、女性は78%にのぼります。
年代ごとの症状については、若い層ほど頭痛の割合が高く、年代が上がるにつれて、関節痛と回答する方が増える傾向という結果でした。
この調査は10~60代以上に実施しているため、10歳未満の統計は取れていませんが、小学生でも天気痛に悩まされるお子さんがいるようです。大人でも症状が強いと、起き上がれないという方もいます。そのため、小学生だと登校に支障をきたし、学校に行けなくなるケースもあると聞きます。
まだまだ、わからないことの多い天気痛ですが、お子さんへの対処法が早く確立されれば…と思っています。
── 子どもは体調を崩しやすいので、天気痛によるものか、判断するのが難しそうですね。子どもだけでなく大人でも、不調の原因が特定できないことは多いと思います。自分の症状が天気痛かどうか、確認する方法はありますか?
大塚さん:
「天気痛予報」を共同開発した佐藤純医師が監修し、解説を添えている「天気痛チェックシート」があります。
天気痛の可能性を3段階で診断するもので、特定まではできませんが、簡単にチェックできます。「もしかしたら、天気痛なのかも」と感じる方は一度、試してみてください。