気軽に集まれて皆で子育てできる居場所を

育児に悩む母親が相談しやすい場所をつくろうと決意した高木さん。

 

「産前・産後のサポートに特化した助産院を設立しようと思いました。お産を扱うと、どうしてもそちらに労力がかかってしまうので、扱わないことに。

 

うまくいくか本当に悩みました。でも、こうしている“いまも困っている”人がいます。何とかしなくてはと、強い気持ちがわきあがったんです」

 

次女を出産後、知人の紹介で、以前は二世帯が住んでいた広い一戸建てを借りられることに。

 

このれび家の縁側にはハンモックが設置され、子どもたちの遊び場にもなっている

2020年9月、育児相談できるうえ、地域の人が気軽に集まり、皆で子どもを見守る『こもれび家』を設立しました。

 

「こもれび家を開いて、本当によかったなあと思います。育児中、ひとりで悩んでいると、“私はダメな母親だ”と自己肯定感もどんどん下がってしまいます。

 

でも、ここに来て他の人たちに“これでいいんだよ、あなたは頑張っているよ”と言ってもらえるだけで安心感があると思うんです。

 

ママたちには“何かあったら、こもれび家があるから大丈夫”と、心のよりどころにしてもらい、育児を楽しむ余裕ができたら嬉しいです」

取材・文/齋田多恵 写真/新井加代子