映画作品のチョイスが難しい事情
まず、作品のチョイスが難しいのです。10代前半の娘から80代半ばの義父まで楽しめる作品となると、ラブロマンス映画やホラー、アート要素の強い作品はまず除外されます。
画面に迫力があるハリウッドアクション映画など無難で良いと思うのですが、これもNGポイントが意外に多いのです。まず暴力、流血描写が多いものは娘と義母が怖がって観ようとしません。武器や兵器の考証が甘いものは、ミリタリーオタクの息子からいちいち文句が出ます。
さらに登場人物が多かったり、場面転換が多い作品は、気が散りやすい義母から「これは誰の奥さん?」「この人はどうして怒ってるの?」「どうして今爆発したの?」などと逐一説明攻めにされ、とても作品に集中するどころではないのです。
さらに義父母をはじめとして私たち家族は大体、思ったことが口からすぐに出るタイプなので、みんなで映画を観るととにかくうるさいのです。テレビのバラエティ番組ならばそれでもいいのですが、ストーリー重視な映画でセリフを聞き逃すのは私にとっては非常に苛立つ事態なのです。
ベッドシーンに騒ぐ義母
家族団らんの敵、ベッドシーンの存在も油断なりません。子どもと私たち夫婦だけならばそこそこフランクに笑い飛ばせても、義父母がいると…特に義母がいると「あら大変!あらあらあら!こんな場面が!どうしましょう!」と騒ぐので気まずさが天井突破です。
それならば、ストーリーも難しくなくベッドシーンの心配もなく、さらに大人の鑑賞にも堪える、子ども向け大作アニメ映画ならばいいのではないか!そう思ったのですが、わが子たちはいつの間にか成長し、「今さら子ども向けのアニメ映画は別に観たくないかな…」という世代に。あらゆる意味で噛み合わないのです。
無理して全員で観なくても…と一人で鑑賞することも考えましたが、わが家にある大画面のテレビは居間のものだけ。絶対に途中で邪魔が入ります。映画を一本、集中して観るのは深夜でもないと不可能なのです。
もうこれは無理だ。一家団らんで映画を観るのは諦めた。
そう改めて悟り、今日も私は特に興味のないバラエティ番組を眺めています。