下級生への声かけができるようになったのは彼のおかげ

—— 実際に一緒にお子さんと活動してきて、どんな感想を持ちましたか?

 

朝日選手:
自分が教えることで気づきを得たり、頑張る姿を見て、自分のなかで奮い立つものがあったり。

 

子どもに夢を与えたいと思って始めましたが、逆に多くのことを与えられたと、気づかされました。

 

—— それは具体的には、どんな気づきだったのでしょうか?

 

朝日選手:
野球の基礎や技術を人に教えるとき、まず自分の考えを言語化する難しさに気づかされたんです。

 

それと、もともと喋りが得意ではないのですが…、國久くんとコミュニケーションをとっていくなかで、下級生にも自分の意思を喋って伝える大事さにも気づけました。

 

谷村選手:
私は國久くんの目標に向かって素直に努力する姿をみて、自分が少し忘れかけていた野球を純粋に楽しむ心を思い出させてもらいました。

 

—— 教える立場でありながら、お子さんのひたむきな姿が選手の皆さんの初心や野球の面白さみたいな部分に触れたんですね。チーム全体にも影響があったと思いますか?

 

朝日選手:
チーム内でアンケートをとったことがあったんです。この活動が自分の野球力向上につながっていると思うか、チームの勝利に関係していると思うか、って。

 

そうしたら、ほとんどの回答が「そう思う」と。実際にチームメイツ活動を行うことで成績がよくなったし、結束も強まった気がします。

 

プロジェクトメンバーでない選手もメンバーになった選手をサポートしたり、積極的にお子さんの練習に加わる選手もいます。

 

—— 時間をともに過ごしてきたなかで、印象的なエピソードはありますか?

 

谷村選手:
コロナ禍で対面できなかったときも、オンラインでキャッチボールする動画をご家族に撮影してもらい、それを見ながらアドバイスすることもありました。

 

それだけでなく、クイズをしたり、学校での話、歴史の話をして楽しかったです。時間は1年間と限られているので、有効に使おうと。