ダンスで得た価値観が子どもの教育にも役立った

—— それは具体的に言うと、どういう踊りが参考になるのでしょうか?

 

Shojiさん:
例えば、踊りで「鳥」を表現するとします。パタパタと羽の動きを両手で表現する人もいれば、肩に置いた指を“ポン”っと離して頭より上の高さに向かうしぐさで、鳥が飛んでいく姿を表現することだってできます。

 

人の数だけアイデアがあって、良さがあります。自分が正しいと思う考え以外の表現に出会う機会が多いんです。

 

—— シェアしたり、自分で受け取って表現したりする価値観は、shojiさんの生き方自体にも影響を与えていますか?

 

Shojiさん:
メチャクチャ影響ありますよ。自分の子どもに対する接し方でもそうです。上下関係にとらわれない話をしましたが、それは子どもにも伝えています。

 

長男が以前、学校の先生に怒られた際、家で「納得いかない」と話してくれました。

 

僕は「先生がこれまでの経験から言ってくれたんだよ。でも、だからといって、どんなときも先生が正しいわけでもないよ」と。

 

その場で先生に言い返す必要はないけれど、言っていることが「違うな」って思ったら、家に帰ってから「違うと思った」と言っていいよ、と話しました。

 

子どもが幼いころから他人の価値観は絶対でなく、自分のなかで価値観を持っていればいい、と伝えています。

 

—— そういう教育をしていると、お子さんのなかでも小さくても考え方の軸が確立できそうですね。息子さんの成長を感じる瞬間ってありましたか?

 

Shojiさん:
長男が幼稚園のときに言われた言葉にはハッとさせられた経験があります。一緒にテレビで戦争のニュースを観ていたときです。

 

「これ何やっているの?」と聞かれたので、「国と国が喧嘩して人を殺し合っているんだよ、どうしてだろうね」と伝えました。

 

「僕、思うんだけど、喧嘩の理由よりも、どう仲直りするかが大切だと思う」と子どもが言うんです。どっちの国が強い、正しいでなくて、物事の本質を突いているなと感心しました。