アメリカ訪問時に現地ダンサーとシットキングスが一緒に撮った集合写真

動画や路上で心地よいパフォーマーの姿を見ると、ちょっとだけどテンションがあがって自分も体を動かしたくなる。でも、そこまで。楽しさは伝わってくるのに、自分が踊るとなると恥ずかしい?いつから日本人は踊りと縁遠くなったのか…世界で活躍するダンスパフォーマンスグループ・シットキングスのshojiさんに聞いた。

盆踊りだと誰もが楽しく踊れる理由

—— いまはコロナで中止になっていますが、夏になると、地元でも盆踊りがあります。誰もが気兼ねなく踊っているのに、それ以外は踊る場もなければ、踊る欲求もでてきません。なぜだと思いますか?

 

Shojiさん:
盆踊りは、踊りの上手い下手が関係ありません。なんとなく見よう見まねで参加しても、人の視線は気にならないですよね。だから「気恥ずかしさ」なく踊れるんです。

 

好きなアーティストのLIVEに行って体が勝手にリズムをとって踊りたくなるのも、同じです。みんなアーティストのほうを向いているから恥ずかしさは感じないはずです。

 

でも、小学生など義務教育などでは、いわゆるダンスは「上手い・下手」「正しく踊れているか」で、評価されます。

 

そうなると、踊るのがもともと好きな子どもや、人から見られるのが平気な子ども以外は、とたんに苦手意識が働きます。先生から「この右手の動きが違う」ってなると。

 

—— どうしてもそうなってしまいがちですね。「上手くできないといけない」というか、私も踊ることのハードルが小学生のころから高く感じていました。自由じゃない感じが。

 

Shojiさん:
その感覚が、欧米と比べると違うのかもしれません。日本ではプロの世界でも、人から型を習うとか、踊りの「正しさ」みたいな部分は残ります。

 

でも、世界のダンス界では、踊りの面白さや新しさがある人から教わるのが当たり前で、正しさが基準になっていません。

 

自分が“吸収したい”と思うダンスの動きする人がいたら、誰からでも得ようとします。ユニークな動きはみなで「シェア」する気持ちが強いんです。

 

だから年齢も上下関係もありません。僕が今まで教わったなかで、いちばん若いパフォーマーは16歳のアメリカ人の女の子でした。魅力的な踊りや動きが参考になりました。