社員が「求められている責任や役割」をより意識するように

── 年間休日が選択できることで何か社内に変化はありましたか?

 

人事部:
自分が年間休日を設定すること、また時間単位でより効率的に仕事を進めることで、社員の意識が変わったように感じています。

 

仕事への価値基準が、目の前の仕事にどのくらい労力を注いでいるかではなく、求められている責任や役割へと変わっていきました。また自分がどのくらい結果を出すべきなのか、みずから考えてスピーディに動けるようになったと思います。

オフィスで働く女性のイメージ
画像はイメージです

── 現在、年間休日選択制度で課題に感じることはありますか?

 

人事部:
年間休日が選択できるようになって、人員計画やシフト管理はやや複雑になった面はあります。ただ、それも必要な変化として受け止めています。従業員の声も聴きながら、もし課題が出てきても、一つひとつクリアしていけたらと思っています。

 

人事制度全体でいえば、ここ数年、年間休日選択制度、時短勤務制度、副業制度など、いろいろな働き方に対応するための環境づくりを進めています。

 

企業と人がそれぞれ成長し続けることのできる人事制度を、時代に合わせて、「必要だから」という観点だけでなく、ALL CONNECTにとって「本当に必要なのはどんなことなのか」という観点で、どう構築していけばいいのか、議論しながら追い求めていきたいです。

 

また、せっかくの人事制度もつくって終わりにしてしまうと、ただの箱になってしまって意味がありません。どうすれば社員に理解される形で社内に浸透させることができるか、これからも模索し続けたいと思っています。

 

そうして、社員がスキル、経験ともに成長できて自分が理想とするキャリアを、自分の望むステージでデザインしていけるように、背中を押していきたいです。

 

 

年間休日を選択できるこの制度、自分だったらどうしたいだろうと思わず考えました。やはり子どもの成長に合わせて、「今年は余裕をもって子どもとの時間を楽しみたい」「次の年は目標に向かって仕事を頑張りたい」とバランスを取るかもしれません。そんなふうにこの制度を活用することで、「今、自分はどうしたいか」を見つめるいい機会にもなりそうです。

取材・文/高梨真紀 画像提供/ALL CONNECT

参考/(※)厚生労働省「令和3年就労条件総合調査の概況」P5 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/21/dl/gaikyou.pdf