「芸歴28年目、まだまだ新しい発見だらけです」。手話に出会って、表現について考えさせられたと明かす、お笑い芸人の河本準一さん。笑いにおいては表現のプロでありながら、障がい者と接する中で新たな気づきを得たといいます(全3回中の3回)。
“手話歴5年”90分の講演をもこなす腕前
── 手話を勉強されているそうですね。きっかけは何だったのですか?
河本さん:
4年ほど前、パラ駅伝のイベントに参加したときに、聴覚障がいのあるランナーを応援するために拍手の手話を教えてもらったんです。
普通は手を叩くけれど、手話では両手を挙げて、ヒラヒラさせるんです。その表現が新鮮で、一気に引き込まれました。
── どんな方法で学んでいるのでしょう?
河本さん:
デフリンピック(ろう者のオリンピック)の棒高跳び選手でもある、佐藤湊先生から教わっています。
仕事で手話の講演をやらせてもらったこともあります。
昔話の桃太郎にちょっとボケを入れてみたり、佐藤先生に手話だとこんなアレンジがあるよ、とアドバイスをもらいながら準備を重ねて、90分間なんとかやりきりました。