今はガムシャラに頑張ってます
── 子育てをしていて楽しいことはどんなことですか?
ベッキーさん:
子どもが言葉をどんどん覚えていって、会話ができるようになってきたのは楽しいですね。急に大人っぽいことを言ったり、子どもの発想が面白かったり。
この前、納豆をスプーンですくったときに、粒が真ん中にひとつあって、その周りを他の粒が囲んで輪っかになっていたんです。それを見て、子どもが「フラワー」って言ったんですよ。お花に見えるって。
私にはそういう発想はないなって、こっちが大笑いしました。やっぱり、子どもといると、人生で「可愛い」って思うことがこんなにあるんだなって。
── その「可愛い」は、子育ての大変さを凌駕するくらいでしょうか?
ベッキーさん:
「可愛い!」っていう感情が、こんなに繰り返し繰り返し1日のなかで湧き上がるっていうのはちょっと意外でしたね。
── 日々愛おしいような。ただ、そういった「可愛い」という感情は、人によっては子どもが生まれて間もなくは「日々精一杯で、可愛いと思う余裕がなかった」とおっしゃる方もいるようです。ベッキーさんはいかがでしたか?
ベッキーさん:
ひとり目のときは、正直私もそういう感じでした。でも、それを人に言っちゃいけないって思ったし、そんなことを思ってしまう私はダメなんだってまた責めて、泣いて。
でも、芸能界の先輩に相談したら、同じことを言われたんです。「私も初めは可愛いって思えなかったんだよね」って。あまりにハッキリ言うから、「え、私だけじゃないんだ」って思ったことはありますね。
── そのあたりの感覚は、お父さんとお母さんで同じなのか。どうなんでしょうね。
ベッキーさん:
多分違うと思います。女性は、産後のホルモンが不安定です。男性はどんなに出産に立ち会っても、どんなにそのプロセスを見ても、ホルモンの乱れはないわけですから。お母さんと同じようにはならないと思います。
── 子育てをしながら、つい疲れが溜まってくると「私ばっかり!」とか、思ってしまいそうですが?
ベッキーさん:
やっぱりどんなに手伝ってもらっても、もっと手伝ってもらいたい。どんなに100点の旦那さんでも、120点目指してほしいってワガママだけど思ってしまうんですよね。
── そう考えると、常にパワーをつかうといいますか。
ベッキーさん:
でも、そういう時期だし。お子さんが20歳を超えてる方の話を聞くと、すごいハードだったけど、とても楽しかったって言ってるんですよね。私もそうなる気がするから、今ハードだなって思っても、後からキラキラした思い出にきっとなるだろうって。
だから、今はがむしゃらに頑張って、子どもたちがまずは小学校、中学校に通うようになったら、ほっとひと息つこうかなって感じです。
PROFILE ベッキーさん
84年生まれ。神奈川県出身。タレント。98年「おはスタ」でデビュー。以降、テレビ・映画・ラジオ・雑誌・CMなど幅広く活躍。
取材・文/松永怜 撮影/坂脇卓也