ライフスタイルプロデューサーとしてイベントや商品の企画を行う村上萌さん。夫でプロサッカー選手の都倉賢さんは、「結婚して娘が産まれて、10年かけてどんどん変わっていった」と話します。風通しの良い夫婦関係を築いている家庭内での習慣について伺いました(全3回中の2回)。

村上さん家族の3人でのショット

「自分ごと」をいかに増やすかを考えて…

── 夫でプロサッカー選手の都倉賢さんの移籍にともなう引っ越しも多いかと思いますが、家事や子育てはどうしていますか。

 

村上さん:
元々は、自分のしたいことと、アスリートの彼の仕事にも柔軟に対応できるようにと考えて起業したんです。でも、だんだん忙しくなってきて、子どもも生まれて。ライフステージが変わっていくなかで、夫は家事も子育ても私以上にコミットしてくれています。

 

料理は私がしますが、保育園の送り迎えや習い事、家事などはほぼ平等で、ゴミ出しや家電に関しては夫のほうがよっぽどしっかり把握してくれています。料理に関しては、私の息抜きにもなっていることもあるので。

 

子どもが産まれたときに夫が「これから洗い物は全部する」と言ってくれました。最初から全部をしていたというより、結婚して10年かけてどんどん変わっていったと思います。

夫でプロサッカー選手の都倉賢さんとお子さん

── 都倉さんが変わっていったのはなぜだと思いますか。

 

村上さん:
私が仕事で東京に行き来しているので、いないときがあると必然的に家事もしなきゃいけなくなるのが大きいと思います。今、住んでいる長崎ではゴミの分別が増えたのですが、たまにしか出ないものはわざわざ外に置いてある箱に入れていたんです。

 

でもある日、夫のほうから「全部の袋をかけられる、こういうゴミ箱どう?」と提案があって。正直、デザインはちょっとどうかな、と思ったのですが(笑)。実際買ってみて設置したところ、効率が上がって毎日これにしてよかったと思っています。

 

私はよく「自分ごと」と「人ごと」という言葉をよく使うのですが、娘が産まれて初めてのことはおむつ替えも爪切りも全部、夫にしてもらいました。今も娘の爪を切るのは夫で。

家事も育児もこなす夫の都倉賢さんとお子さん

私は夫に、関与していくことを増やして「自分ごと」にしてもらうのを大切にしています。なんでもできてしまう奥さんほど、旦那さんのすることに「それじゃダメだよ」と言ってしまいがちかもしれないのですが、私は自分がいないときに必然的に頼る必要があるので、夫が自分で使うときにも楽しいなと思えるように、夫が気に入った洗剤入れや家電を揃えたいと言われたら、それを尊重しています。

夫は効率化を考えて機械を導入するのが上手で。梅雨の湿気でうまく洗濯物が乾かないときに、部屋で使う乾燥機を買っていました。家の中に「これがあったらいいね」ということでお互い動くのですが、私は主にグリーンを垂らすとか香りとか、インテリアによる”心地よさ”担当で、夫はどちらかというと”効率化”担当。家事動線や家電の導入などを考えて工夫してくれています。

 

── 自然に役割分担ができているんですね。

 

村上さん:
そうですね。でも食器洗いを夫がすると言ったとはいえ、疲れていそうだったらささっと何も言わず、私がします。家事は仕事ではないので、決めたこと以外やらないとなるとそれこそ私が「自分ごと」じゃなくなってしまいます。得意不得意でなんとなく役割を決めつつも、柔軟さを持たせておくことも続く秘訣かなと思います。