専門知識以上に“共感”できる人が貢献できる

他の副業仲介サービスとの違いは、「共感」がスタートだという点です。

 

「ふるさと兼業では、地方や企業が抱える課題解決に共感し、一緒に取り組みたい想いを持つ人を求める点が、他の副業仲介サービスと異なります。

 

受け入れ先の大半は、地方の小さな企業です。課題解決のためのコンサルタントなどではなく、悩みを自分ごととして捉え、一緒に進んでくれる仲間を求めています。

 

報酬は他の副業仲介サービスより低いかもしれませんが、自分の力で地方企業をサポートしたい、目標に近づく手助けをしたい方々が応募します。

 

言い換えると、金銭的報酬よりも、意味的報酬に重きを置く人たちがふるさと兼業のユーザーには多いです」

兼業者ひとりひとりのエピソードを語る南田修司さん(写真提供:NPO法人G-net)

事業参画には、経験や専門スキルがないと難しい印象を受けますが、南田さんによると違うようです。

 

「経験や専門性はあれば役に立ちますが、それだけでなく重視したいのが“共感”や“想い”です。面接でもこの点をしっかり確認します。専門性がなくても、熱意があれば一歩踏み出せます。

 

メンバー同士で語り合い、手を動かして前に進む。必要なら走りながら修正すればいい。これを行うには、強い想いやお互いを理解しようとする気持ちが必須です。

 

課題は様々。伝統を時代にあわせて継承する、代替わり時期の経営者と企業価値について考える、受け継いだ商品や素材をもとに新規事業を立ち上げる、など多岐に渡ります。

 

共通するのは、すべてのプロジェクトが“誰”と“何”を“いつまで”やるのかを明確に定めていること。

 

打合せは週に1回程度ケースが多いです。その他の時間で何をどこまでやるかは、各自の裁量によります。

 

ともすると、やる気が続かないときもあるでしょう。そんなときも、やはり“想い”があれば最後までやり抜く助けになります。

 

兼業者や受け入れ先企業が望めば、募集時に提示した期間を超えて延長することもあります。その場だけの関わりで終わらず、終了後も関係が続く例も多いです」