結婚生活ってクリエイティブ

── 仲直りに時間をかけることができるのも、結婚したからこそ、という部分もありますよね。

 

貫地谷さん:

そうですね。やっぱり、結婚ってどう続けていくかだと思うんです。嫌だったら離婚すればいいという考え方もあると思うのですが、どう続けていくかを考えることって、結構クリエイティブだなと感じています。

 

── では、「結婚」を続けていくために心がけていることはありますか?

 

貫地谷さん:

追求しすぎない、かな。

 

私は白黒ハッキリみたいなタイプなのですが、グレーゾーンが大事ということに、結婚をしてから気づきました。曖昧にするとかではなく、お互いの譲歩だと思っていて。だから、「まあ、いっか」と思えることが増えてきました。

 

昔、先輩の俳優さんに「早く、結婚しろ。結婚したら自分のペースで生きられないんだよ。でも、それがむしろ生きやすくなるぞ」と言われて。当時は何のこっちゃ、という感じだったのですが、最近特に「なるほど」と分かる気がしています。

若い頃にかけられた言葉の意味を実感するようになったと話す貫地谷しほりさん

── 30代後半戦、40代に向けてのライフプランやイメージしていることを教えてください。

 

貫地谷さん:

仕事は続けていたい、というよりも、続けていたほうがいいんだろうなと漠然と思っています。

 

やっぱり自分の居場所でもあるし、ある意味存在意義でもあったりする気もしていて。みんなそうだと思うんですよね、仕事に限らず、自分が今いる場所を大事にできるなら大事にしたほうがいいんじゃないかな。

 

年配夫婦の奥様に「仕事は、続けたほうがいいわよ」と言われたことがあるのですが、この言葉も、最近「なるほど」と理解できるようになりました。歳を重ねると、若い頃に言われたことに「なるほどな」と思うことが増えてくるなぁ、と実感しています。
 

── 家族についてはどうでしょうか?どんな夫婦になっていきたいですか?

 

貫地谷さん:

やっぱり、仲良くしていたいなと思います。

 

傷つけ合うこともあると思うけれど、お互いに癒やしの場所になっていたいなという思いがあります。今の私にとって、家庭は癒やしの場所と断言できるので、このままずっと癒やして癒やされ続けたいです。

 

PROFILE 貫地谷しほりさん

俳優。1985年生まれ、東京都出身。映画『スウィングガールズ』で注目され、NHK連続テレビ小説「ちりとてちん」で主演を務める。女優、ナレーション、声優と幅広く活躍。2022年出演作はWOWOW 連続ドラマW「正体」。映画『サバカン SABAKAN』は8月19日公開。

取材・文/タナカシノブ