妻の両親にも子育てアピールする夫にイライラ
SNSのみならず、夫はモナミさんの両親に対するアピールも上手なのだそう。
「私の実家に行くと、夫は子育てがいかに大変か、でも楽しいとアピールするんですよ。
父なんて、『オレの時代には男が育休なんて考えられなかったなあ。もし今の時代だったら、育休をとりたかったよ』と言い出して。
父はものすごく子煩悩だったので、私も弟も父の休日をいつも待っていました。真剣に子どもと遊んでくれた。でも夫はそうじゃない。アピールだけ。
上の息子なんて、一緒に遊んでいても『パパ、まじめにやってよ』と文句を言っていますからね。子ども心にわかるんですよ、父親が真剣に向き合ってくれているかどうか」
モナミさんから見ると、夫の子育ては真剣味がたりないそう。全力で遊ばなければ子どもに見透かされてしまうと彼女は言います。
それが将来の教育に悪影響を及ぼさなければいいけれど、と彼女は不安を募らせます。
「最近は朝、子どもたちを保育園に送って行って、戻ってきて私はリモートワーク、夫は会社に出勤しています。
たまに夫が保育園に迎えに行って帰宅するんですが、夫の中では保育園に迎えに行ったことでその日の『育児』は終了している。
本当は帰宅してから食事をさせて、お風呂に入れて寝かしつけるまで、やることはたくさんあるんですが…。
1日にひとつでも何かすると満足して、あとはSNSに自分の子育てぶりをアップして、いいパパアピールをするだけ。
本質的に何か間違っていないか、と言ってやりたいけど、言うとまたいじけたり、すねたりするので、いまは放っておきます(笑)」
夫は「いい人」だとわかっているだけに、あまり強気に出てビビらせてもいけないとモナミさんは感じている様子。
「夫のコントロールも難しいですよね」と彼女は苦笑しながらも、どこか幸せそうな笑みも浮かべていました。
文/亀山早苗 イラスト/前山三都里
※この連載はライターの亀山早苗さんがこれまで4000件に及ぶ取材を通じて知った、夫婦や家族などの事情やエピソードを元に執筆しています。