玉ねぎの価格が平年の約2倍に高騰するなど、野菜をはじめとする食品の値上げが相次いでいます。ロシアのウクライナ侵攻の影響で肥料が値上がりし、野菜売り場にもその影響が…。八百屋歴10年以上、「フォローするだけで節約できるアカウント」としてTwitterで話題の青髪のテツさんに話を聞いてみると──。
今年は玉ねぎも新玉ねぎも不作!?
── 今年は玉ねぎが驚くような値段で売られていました。原因は何でしょうか?
テツさん:
最も大きな原因が、玉ねぎの出荷量の6割を占めている北海道が不作だったことです。昨年の気候が、雨が少なく猛暑だったために起きました。農林水産省が5月末に発表全国の平均小売価格は平年の約2倍と、かつてない水準になっています。
── いつ頃まで続きそうでしょうか。
テツさん:
残念ながら、僕ら八百屋でも読めないです。淡路島の新玉ねぎが出てくる3月下旬ごろで、全体の値段が下がるかなと思ったのですが、下がりませんでしたね。
あと、高騰の原因は生産量の減少もありますが、産地リレーの遅れなど、いくつかの理由が重なっています。
産地リレーとは、暖かい南から北へ向かってまるでリレーのように次々と作物が収穫時期を迎えることです。例えば、熊本の収穫時期は早く終わってしまったけれど、まだ鳥取が出回らない状況が発生すると、供給量が減って価格が高くなります。
もともと昨年の秋に収穫された北海道の玉ねぎが、干ばつの影響で収穫量が少なく小ぶりでした。結果、価格が高騰していき、今は市場にない状態です。残念ながら、次の北海道の収穫時期、9月まで玉ねぎの価格は大きく下がる見込みはありません。
── 昨年の天候が、なぜ今年の新玉ねぎに影響しているのでしょうか。
テツさん:
例年ですと、この季節の売り場には「新玉ねぎ」と「普通の玉ねぎ」の両方が並ぶんです。でも今は普通の玉ねぎがなく、新玉ねぎだけ並んでいます。こんな状況は滅多にありません。
現状は新玉ねぎが売り場から消えることはないですが、新玉ねぎの価格も予想以上に上がっているので、新玉ねぎ自体の収穫量も十分ではなかったと考えられます。