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夫婦同時に育休取得「子供との時間は戻らない」

仕事

2019.12.15

子育てはお母さんだけのものじゃない。

 

まだまだ男性の育休取得率は低いですが、その考え方は少しずつ社会に広まってきていると思います。

 

そんな中CHANTO WEBでは、夫婦同時に長期の育休を取得するという選択をした2組の夫婦に話を聞きました。

夫婦で半年以上の育休取得した2組のリアル『お前がいなくても会社は動く』」では、夫が長期の育休を取得した理由や周りの反応などを聞きました。

今回は引き続き、取得してみてどうだったか、本音を聞いていきたいと思います!

 

お話を聞いたご夫婦

小森一将さん・まりえさん夫婦

千葉県在住。3歳長女と0歳長男の子育て中。一将さんは大手鉄道会社勤務で、長男誕生後、2019年4月から7か月間の育休を取得。

 

古谷野謙太さん・こえりさん夫婦

東京都在住。3歳の長女と0歳の長男の子育て中。謙太さんは大手金融機関勤務で、長男誕生後、2019年3月から1年間の育休を取得。

「サブ」から「メイン」へ 夫の意識が変わった

小森一将さん・まりえさん、古谷野謙太さん・こえりさん

左から、小森一将さん、まりえさん、古谷野謙太さん、こえりさん

 

──半年以上、夫婦とも育休を取得して過ごしてきたわけですが、まずは良かった部分をお伺いしたいです。

 

まりえさん

やっぱり、子どもの成長の喜びを分かち合えるのがすごくよかったです。

ほんのちょっとの成長をその場で共有できる人がいるというのはすごく嬉しいですね。

 

一将さん

僕は下の子の成長を見られたのも嬉しかったけど、3歳になる上の子と一緒にいられてよかったな、ってすごく思います。

この半年で、上の子が凄く成長したなって感じるんですよ。親2人の遊び方や考え方が違うので、それが刺激になっているんじゃないかと。

 

──すごく何気ない成長を目の前で分かち合えるって、後で説明して伝えるのとは全然違いますよね。

 

まりえさん

あとは、1人で育児をしているときはいっぱいいっぱいだったので、「鬼が来るから早くしなさい」っていう脅し育児をやりがちだったんです。でも、子どもが楽しんでやれる声掛けを考えられるようになりました。

 

謙太さん

すごくよく分かります。うちも脅し育児をしないようにし始めました。

僕は、子どもへの理解度が上がったのが良かったですね。細かい変化に気付いて僕発信で子どもに合った遊びができるし、子どもが拙い言葉で話している内容も分かるようになった。

上の娘は妻にべったりだったんですが、僕にアクティブな遊びを求めてくるようになりました。

 

──2人大人がいることが子どもの刺激になるし、大人に余裕も出て関わり方も変わってくるんですね。

お母さんから見て、この半年でお父さんの変化ってありましたか?

 

まりえさん

夫は今までも協力的ではあったんですけど、どこか「サブ」という意識があったように感じていました。「2人の子どもなのにな」と思っていたんですが、それが解消されましたね。

 

こえりさん

うちもそうです!

前は「子育てのメインは私。夫は私のケアをして、子育てはサブ」という感じだったんですけど、2人とも子育てをメインでやるようになりました。授乳以外はお父さんも同じようにできますもんね。

 

──お父さんの意識が変わったんですね。

 

みんなで子育て、が当たり前の社会になってほしい

古谷野さん夫婦

 

──逆に、大変だったことってありますか?

 

謙太さん

夫婦喧嘩は増えましたね。これまでは何となく過ごせていたけれど、長く一緒にいるとそうはいかない。

原因は例えば、子どもが泣いたときにすぐ抱き上げるのか、少し様子を見てからにするのか、とか、そういう細かいことです。僕は少し様子を見ようというタイプなんですが、妻はすぐに対応したい。そういう対応の仕方や優先順位が違うと、もめます。

 

こえりさん

私はすぐ抱っこするのに夫は様子を見るから、結局私の方がお世話してるじゃん!ってなりましたね。喧嘩して家出をしたこともあります(笑)

でも、そういうことを繰り返していくうちにパートナーシップが深まりました。相手の考え方が理解できて、ズレが合っていく感じです。

 

まりえさん

うちも同じです。これまで流せていたような、くすぶっていたようなことが、喧嘩になりますよね!

あとは、思った以上にお金がかかるというのに驚きました。

 

──育児休業給付金は半年までが休業前の賃金の67%、7か月目からは50%。家族でいる時間が長いと使う機会も多いですもんね。

 

こえりさん

分かります!家族が揃っているので旅行に行ったり里帰りしたりする機会が増えるので、時間はあるけどお金はない、という状況になりますよね。余裕を持っておかないときついな、と思いました。

 

──凄く現実的なご意見で参考になります…!(笑)

今、旅行や里帰りの話が出ましたが、育休の取り方や過ごし方について、周りから「旅行に行くなんて」「同時にそんなに長く取らなくても」など、マイナスな言葉を投げかけられたことはありませんか?

 

一将さん

ありますね。「奥さんだけでできるだろ」とか、直接言われたこともあります。でも、そういう人に限って家事や育児をやってない。だからそういうことが言えるんだと思います。

仕事より育児の方が大変だし、夫婦同時に育休を取るのはある意味「楽をする」ためなんだから、いいじゃんって思いますね。

 

まりえさん

確かに、育休中に旅行に行ったりすることに関して、良く思わない人がいるのも感覚としては分かります。

でも私、ママになってからいろんなことをあきらめてきたんです。1人目の時はすごく大変で、自分の時間なんて取れなかった。何か言われても、もうこれ以上あきらめたくないという気持ちが強いです。

そして何より、日本のママはひとりで頑張りすぎています。もっと、たくさんの人の手を借りながら子育てをするのが当たり前、という社会になってほしいです。

 

謙太さん

妻が第1子出産後の育休中にインターンをやっていた時は、周りに「そういうことができるなら仕事すればいいのに」って言われたり、「なんで許してるの?」って言われたりしましたね。

 

こえりさん

「奥さん1人でできるだろ」って言われたら、できないことはないですよ。でもやりたくないし、そこまで追い詰められながら子育てしなきゃいけないの?と思います。

育休中の過ごし方をはじめ、「せねばならない」というようなことが多すぎるなって感じます。周りからのプレッシャーもあるし、自分が勝手に作っている考え方もあるんでしょうけど、それにがんじがらめになっているところがありますよね。

 

──確かに、いろんなところに配慮しすぎて、動きづらくなることってあると思います。

 

子どもとの時間は戻ってこない

 

一将さん

なぜ仕事をするのかって考えると、僕は家族を守るためなんですよ。だから、仕事のせいで家族と一緒にいられないのはおかしい。

会社に大事なものを奪われない働き方をしたいと思っています。

 

こえりさん

これからはどんどん、私たちのような考え方の人が増えていくと思います。

だから企業も、自分や家族を大切にしながら働けるような環境を作っていかないと立ち行かなくなるんじゃないでしょうか。

 

──最後に、取得を迷っている人に伝えたいことはありますか?

 

謙太さん

迷っている人は、取得経験のある人にぜひ相談してほしいです。経験のない人に相談しても、前向きな話は出てきづらいかもしれません。

僕にとって育休は、子どもたちの成長を見られたのはもちろんよかったけど、「どう生きたいのか」を考えるいい機会になりました。家族と一緒にいる時間が大切だと実感したし、働き方や子育てに対して考えが深まりましたね。

あと、取得するなら「妻に言われて」ではなく、自分で決めた方がいいと思います。

 

一将さん

僕も、軽いノリで取るくらいなら取らない方がいいと思います。

自分は家事ができるのか?覚悟はあるのか?と自問自答してほしいです。ただのお荷物になってしまう可能性がありますから。自分の休みじゃなくて家族のための時間なので。

 

こえりさん

育休を取る時に、お金や復帰後の不安ってみんなあると思うんですよ。でも、大事なものが何なのかをもう一度考えてほしいです。

会社はあなたの人生の責任をとってはくれないし、自分の人生は自分でつくっていくしかない。どう生きたいのか、決断の邪魔をしているものは他人の物差しなんじゃないか、と見つめ直してみたらいいんじゃないでしょうか。

 

まりえさん

お金は後から稼げばいいけど、限りある子どもとの時間は返ってきません。

後悔するかもしれないと思うなら、取ってほしいなと思います。

 

 

状況として、長期の育休取得が難しい人はもちろんいると思います。

でもひとりひとりが少しずつ働き方や考え方を見直すことで、大切なものを大切にしやすい社会になるのではないかと感じました。

 

取材・文・写真/小西和香

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