周囲の理解で救われることも

── HSPの気質を持つ人のために、そうでない周囲の人ができることはありますか。

 

長沼さん:

自分はHSPではないと思われる人も、ぜひHSPという気質がある事実を理解してほしいと思っています。

 

見え方、聞き方、感じ方は人によってまったく違います。「それくらいみんな平気だよ」「ちょっと過剰に反応しすぎでしょう」…そういった何気ない日常の言葉にひそかに傷ついているHSPの人が、あなたのすぐそばにもいるかもしれません。  

 

 

HSPは病気や障害ではなく、「気質」である。この事実を踏まえた上で、HSPの人は周囲と具体的にどう付き合っていけばよいでしょうか。次回からは、HSPママたちが抱える実際のお悩みについて、具体的なシチュエーション別に長沼先生が回答します。

 

次回は「夫との関係」について。HSP気質を持つ人だけでなく、夫婦関係に悩む子育て中のママにもきっと参考になるはずです。

 

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PROFILE 長沼睦雄さん

十勝むつみのクリニック院長。北海道大学医学部卒業。脳外科研修を経て神経内科を専攻し、日本神経学会認定医に。小児精神科医として道立札幌療育センターに13年間勤務。道立緑ヶ丘病院精神科勤務を経て、2016年にHSP診療に専念したクリニックを開業。日本では数少ないHSP臨床医。

 

文/阿部 花恵 イラスト/福田玲子