2019.04.08
子どもを連れての電車マナーは、いたるところで頻繁に議論を呼んでいます。同じママの立場としては子連れ移動の大変さは理解できるし、たいていのことは(寛大に見てあげて!)とかばいたくなる気持ちにもなるものです。そんなママたちから見ても「これはダメでしょ!」と思うマナー違反とは、どんなものなのでしょう。
優しい人に譲ってもらいなさい(じゅんこさん/35歳/事務)
仕事帰りの電車に乗っていたときのことです。席にすわって(保育園のお迎えして、それからスーパー寄って…夕ご飯何にしよう?)と考えごとをしていると、4歳くらいの男の子を連れたママが乗ってきました。(うちの子と同じくらいだなぁ)と思っていると、その子が「ママー! 座りたーい!」と叫んだんです。
しかし、この時間は帰宅ラッシュの真っただ中、空いている座席はもちろんありません。すると母親は、周りに聞こえるような声で驚きのひと言を。
「そうよね、疲れたよねー。優しい人に譲ってもらいなさい!」
(え、席を譲れってこと? しかもその言い方は…なんだ?!)私をはじめ、おそらく乗客全員が驚いていたことでしょう。でも自分から立ち上がる人はなく…男の子は「座りたーい!」と叫びつづけ、ついには泣き出してしまいました。
(譲ってあげようかな)と迷ったのですが、「はいはい、たっくん座りたいのよねー?」と、聞こえよがしに何度も言う母親の態度にモヤモヤして、結局動けませんでした。
その後、次の駅で降りた人の席に座れましたが…もし自分の子どもが座りたがっても「譲ってもいなさい」なんて、絶対に言わないです。
スマホってそんなに大事?(さとこさん/33歳/在宅)
ある日、2歳の娘を連れて電車に乗っていたときのことです。向かいの席には、小さな赤ちゃんを乗せたベビーカーを脇に置いて、ひとりのママが座っていました。
しばらくすると赤ちゃんの泣き声が。(あ、泣いちゃった。うちも小さい頃よく泣いてたなぁ)としんみりしつつママを見ると、あやしている…かと思いきや、ずっとスマホをいじっているんです。
いちおう片手でベビーカーを揺らしてはいるものの、ママの視線はもう片方の手で操作しているスマホに集中。赤ちゃんは一向に泣きやみません。結局、私と同じ終点の駅まで、そんな感じで乗り続けました。
電車から降りてホームを歩いている間も、ベビーカーを押しながらスマホを操作していましたが…そんなに大事な用事があるんですかね。
赤ちゃんが泣くことは当たり前だし、ぜんぜん気にならないのですが、スマホに夢中の母親には違和感を覚えてしまいます。せめて抱っこしてあげたらいいのに、と思いました。
マナー違反は注意して!(たまきさん/35歳/営業)
先日の昼ごろ、営業先に行くため電車に乗っていたんです。そこに大泣きしている3歳くらいの女の子と、そのママが乗車してきました。機嫌はますます悪くなっていき…「いやだぁー!」と声を張る女の子。
一緒にいたママはというと「もぉー、知らないからね!」と言い放ち、ドスンと席に座ってスマホを触りはじめました。
女の子はママに構ってもらおうと、シートによじ登ります…でも靴は履いたまま。大声で呼びかけるも、適当な対応ばかりのママに起こった女の子は、「んもぉー!」と座席の上で地団駄を踏みはじめたんです!
(ちゃんと対応してあげなよ…そして靴は脱がせて…)と、居合わせた悪運を呪うほどイライラする光景でした。その後もママは、注意すらしませんでしたよ。
いまさらですが「マナー」とは、「相手に不快を与えず自分も生活しやすくなる生きるための行儀」…つまり〝気遣い〟のこと。賢いママたちに求めらているマナーとは、権利や「こうあるべき」といった主張を振りかざすだけではなく、「いま自分が置かれた場所に行動が適しているのか」を考える力なのではないでしょうか。
ライター:楠 ゆず
娘と夫、茶トラの猫の3人+1匹で暮らすフリーライター。思い切ってマンションを購入し、ローンパラダイスへ突入中。幼児教育にハマってしまい、興味をもった教材は手に入れないと気が済まない。おかげで家には教材の山が…。断捨離欲と収集欲の葛藤に悩む日々です。