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社会問題にもなる「トーンポリシング」は実は家庭内にも存在する

コミュニケーション

2021.02.23

あなたは、子どもの頃、親や先生などに怒って抗議したら「その言い方はなんだ!」と叱られて話を聞いてもらえなかった経験はありませんか?

 

相手の訴えの内容ではなく、言い方や行動が悪いという理由で却下したり黙らせたりすることを「トーンポリシング」といい、立場が強い側や多数派がよく行うとされています。

 

これまで、社会問題で議論が起こった際にたびたび指摘されてきた「トーンポリシング」ですが、実は家庭の中にも存在します。

 

おもに夫(男性)から妻(女性)へのパターンが多いといわれ、さらに親から子どもに対してもやってしまいがち。

 

今回は、そもそも「トーンポリシング」とはどういうものなのか、単なる「優しく言ってね」と何が違うのか、攻撃的な言葉や態度の子どもにどう接すればいいのかなどを考えます。

「トーンポリシング」とは?わかりやすく言うと

「トーンポリシング」とは、ちょっと聞き慣れない言葉ですが、2000年以降よく使われるようになった造語で、英語で「口調・話し方」をあらわす”tone”と「取り締まる、監視する」を意味する”policing”を組み合わせて作られたといわれます。

 

最近の例では「BLM(ブラック・ライヴズ・マター)」運動や、グレタ・トゥーンベリさんの環境活動に対する発言、日本では「保育園落ちた日本死ね」が流行語となった時などに、

 

「そんな乱暴な言い方(やり方)じゃ、誰も味方になってくれないよ」

 

と言ってもともとの訴えの内容について話し合おうとしない人々の態度が「トーンポリシング」として問題になりました。

 

たしかに、乱暴な言葉や手段を使う人に対して、聞いた側は嫌悪感を抱いたり、内容よりもとりあえずその場をおさめて済ませようとしたりするかもしれません。

 

また欧米の人々と比べると、日本社会では正面からの議論を好まず、空気を読んで穏便に物事を進めたがる人が多いといえます。

 

そんな中での攻撃的な口調や突出した行動は、たとえそれが正当な訴えでも、全員に受け入れられにくいのはたしかでしょう。

 

しかし、少数派や立場の弱い人の意見は、優しいトーンで発言しても誰もあまり耳を貸さない…という事実もまた指摘されています。

正当な助言と「トーンポリシング」の見分け方

もし家庭や職場で「何度もていねいに訴えてきたけど、もう限界!」と感じることがあったとき、思い切って強い口調で訴えたら、

 

「なんて乱暴な口をきくんだ」

 

「そんな態度では話にならない」

 

などと却下されたとします。

 

これはトーンポリシングなのか、自分の言い方が悪かったのか…と迷ってしまうかもしれません。

 

そんなときに、正当な助言とトーンポリシングを見分けるコツがあります。

 

訴えの内容が、相手にとって耳が痛いこと・目を背けていた方がラクなこと・取り組むのが面倒なことで、そのままうやむやにされてしまったら、それはトーンポリシングである可能性が高いです。

 

いっぽう、口調や態度がきついと指摘しつつも、訴えを退けることなく一緒に改善方法を考える姿勢が相手にあれば、それはトーンポリシングではないと考えて良いでしょう。

子どもに「トーンポリシング」をやってはいけない理由

職場や夫婦間同様、親から子どもに対しても、物言いや態度を理由に訴えの内容にフタをしてしまう「トーンポリシング」はやるべきではありません。

 

ただ、子どもは、自分の希望を通したいときや親に理不尽な指示をされた(と感じた)ときなどに「ママのバカ!」ときには「しね!」などと言いながらポカポカ叩いてきたり、怒って抗議することがあります。

 

それを注意するのはトーンポリシングで、やってはいけないことなのでしょうか?

 

実は、これも大人同士と同じで、子どもの訴えをきちんと聞くのであれば、態度を注意してもトーンポリシングではありません。

 

しかし、たとえば部屋を掃除したときに子どもの大切にしているものをうっかり捨ててしまい、子どもが怒った…という場合、

 

「その言い方はなに!?そんなこと言う子はもう知らない!」

 

と取り合わず、捨ててしまったことを謝らないのであれば、それはトーンポリシングになり得ます。

 

これを繰り返していると、しだいに子どもは「言っても聞いてもらえない」と感じ、自分の思いを口にしなくなるといわれています。

 

専門的には「心理的安全性の低下」といい、小学校・中学校とだんだん保護者の目が届かなくなる時期に子どもの本音が聞けないと親も困りますし、何より子ども自身が辛い思いをするおそれがあります。

 

子どもの怒り方が乱暴で度を超している…と感じたら、

 

  • 態度だけを注意して内容はしっかりと聞く
  • できるだけ怒り出す前の段階で耳を傾ける
  • 落ち着いて話せたら「そうやって話してくれると助かるよ、ありがとう」と感謝する

 

などの対応がおすすめです。

おわりに

近年、マイノリティや社会的に弱い立場の人々が声を上げることに対し、少しずつ理解や支援が広がりつつあります。

 

しかし、家庭の中、目の前のわが子に対しては、時に「その言い方はなに!?」「そんな反抗的な態度じゃ相手にしません」と子どもの訴えを封じ込めてしまってはいないでしょうか。

 

もちろん、最初から感情的にならず、落ち着いて自分の言い分を伝えることはとても大切。

 

どうしても聞いてもらえない時は、勇気を出して強く訴えることも必要。

 

まずは、親自身が子どもの見本になるようなコミュニケーションを取っていきたいですね。

文/高谷みえこ
参照/Google「re:Work /チーム」https://rework.withgoogle.com/jp/subjects/teams/

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