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部活でパワハラに…子を守るため、親がメモるべき最低限の法律知識

子育て

2018.05.27

2020.04.29

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先日から日大のアメフト部で、監督から生徒に対する反則行為の強要があったことがニュースなどで大きくとりざたされているので、気になっている方が多いでしょう。しかし、部活でのパワハラ行為はこのケースだけに限りません。大学だけではなく高校や中学でも起こっている問題です。

 

もしもあなたの大切なお子さんが、部活で先生や顧問からパワハラを受けたら、どのように対応するのが良いのでしょうか?今回は、部活内でのパワハラ行為の法的な問題点と対処方法を、元弁護士がご紹介します。

部活のパワハラは罪になる?


そもそもパワハラは罪になるのでしょうか?まず、日本には「パワハラ罪」という罪はありません。そこでパワハラ行為をしたからと言って必ず犯罪が成立するわけではありません。ただし、パワハラが悪質な場合、刑法が定める刑罰に該当する可能性があります。たとえば、以下のような犯罪が成立する可能性があります。

 

  • 強要罪

強要罪は、義務のないことをムリやりさせたときに成立する犯罪です。たとえば今回の日大の事件のように、先生がその立場を利用して子どもに反則行為を強要したら、強要罪が成立する可能性があります。

 

  • 脅迫罪

脅迫罪は、生命や身体、財産や名誉、身体の自由を侵害すると言って脅したときに成立する犯罪です。たとえば先生が子どもに対し「殴るぞ」などというと、脅迫罪になる可能性があります。

 

  • 暴行罪

暴行罪は、有形力を行使したときに成立する犯罪です。わかりやすく言うと、殴る蹴る等の暴力を振るったり大声で怒鳴りつけたりしたときに成立します。

 

  • 傷害罪

傷害罪は、暴行の結果相手を傷つけてしまったときに成立する犯罪です。たとえば先生が生徒に体罰を与えて生徒がけがをすると、傷害罪が成立する可能性があります。

 

  • 名誉毀損罪

先生が他の部員の前で子どもの名誉を傷つけるような発言をすると、名誉毀損罪が成立する可能性があります。ネット上での投稿によっても名誉毀損罪が成立します。

 

  • 侮辱罪

先生が他の部員の前で子どもに対し「バカ野郎!」「お前はどうしようもないやつだ!」などと言って侮辱すると、侮辱罪になる可能性があります。

 

以上のように、パラハラが行われると、いろいろな犯罪が成立する可能性があるので、泣き寝入りをせずにしっかり対処を検討しましょう。

 

2.部活のパワハラで損害賠償できる?


パワハラ被害を受けたときには、刑事的な犯罪だけではなく民事的な損害賠償も問題となります。

 

度を超えた体罰や暴行、義務のないことの強要行為は「違法」と評価されるので、民法上の「不法行為」となります。不法行為が成立すると、加害者は被害者に対して損害賠償をしなければなりません。そこで違法なパワハラ行為が行われた場合、被害者であるお子さんは加害者である監督や顧問に対して損害賠償請求できます。このとき、請求できる損害は「慰謝料」が主となりますが、通院治療が必要になったときには「治療費」や「通院交通費」なども請求できます。

 

子どもが未成年の場合に損害賠償請求を進めるときには、本人ではなく法定代理人である親が代理で進める必要があります。

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3.部下でパワハラを受けたときの対処方法


実際に子どもが部活でパワハラ被害を受けたら、どう対処したら良いのでしょうか?

 

  • 証拠を集める

まずはパワハラの証拠を集めましょう。どのような請求をするにせよ、証拠がないと学校や顧問と渡り合うことができません。顧問から暴言を吐かれている様子を録音したり、パワハラの様子を日記につけたり病院に行って診断書をとりつけたりしましょう

 

  • 学校や顧問と話し合う

証拠をそろえたら、学校側と話し合いをしましょう。このときまずは、パワハラ行為をやめるように要求します。程度が軽いケースであれば、パワハラ行為が収まったら部活を続けるという選択もあります。程度が酷く、子どもが体調を崩した場合や学校に行けなくなってしまった場合などには、学校側に対する慰謝料や治療費等の損害賠償請求も検討しましょう。

 

  • 内容証明郵便で警告書、損害賠償請求書を送る

学校に話し合いを持ちかけても無視されて対応してもらえないケースなどでは、内容証明郵便を使って警告書や損害賠償の請求書を送りましょう。内容としては、パワハラ行為をすぐにやめるよう求めると共に、慰謝料や病院における治療費などの請求をします。内容証明郵便を送付することにより学校側が対応を開始すれば、話し合いによって解決方法を決めましょう。

 

  • 刑事告訴する

顧問や監督のパワハラによってお子さんがけがをした場合や酷い名誉毀損を受けた場合などには、刑事告訴を検討すべきケースもあります。特に名誉毀損罪や侮辱罪は、刑事告訴をしないと相手を処罰してもらうことができない「親告罪」なので、子どもの希望も聞きながら告訴するかどうか、対応を考えましょう。

 

  • 弁護士に相談する

子どもが部活でパワハラに遭ったとき、自分たち家族だけで対応しようとしても、限界があります。具体的にどのように進めて良いかわからないケースも多いでしょう。このようなときには、一度弁護士に相談することをお勧めします。弁護士であれば、個別のケースごとに適切なアドバイスをしてくれるからです。

部活のパワハラ対策まとめ


今回は、子どもが部活でパワハラ被害に遭った時の対処方法をご紹介しました。万一の時に泣き寝入りをしないように、是非ともおぼえておいて下さいね。

 

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取材・文/福谷陽子

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