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“躾(しつけ)”の本当の意味って?今の日本人が思うよりずっと深い

子育て

2022.01.07

中学生のトニーニョくんと3人で暮らす、漫画家の小栗左多里さんとジャーナリストの夫・トニーさん。

 

夫婦で子育てをしていくなかで「異文化で育った者同士はどうやったら折り合えるのか?」と試行錯誤した経験から感じたことや自分の幼少期の体験を、それぞれに語ります。

 

今回のテーマは「しつけ」。トニーさんの経験と知識から考える「しつけ」の本質は、私たちが考えているものとは少し異なるよう。詳しく語ってもらいました!

「躾」という文字から見えてくる“しつけ”の本当の意味

「躾(しつけ)」。「身」と「美」を合体させたこの字は「木」とか「川」と違って、中国から渡ってきたものではなく、日本でわざわざ作られた特有の字(国字)だ。


「躾は」英訳しにくい言葉でもある。「character-building(修養)」かな?それとも「etiquette(エチケット、礼儀)」?教養を身につけさせることだろうけれど、ひと言では表しにくい。

 

教養と言えば、母が15年くらい前にアメリカに住む弟の長男(僕にとっての甥)に贈った書籍を思い出す。2006年出版の『The Dangerous Book for Boys(男の子のための危険な本)』。これは、主に忘れ去られつつある工作や遊びを教えてくれるガイドブックだ。

 

内容として暗号の解き方やツリーハウスの建て方もあれば、本当にちょっと危険な項目もある。たとえば、弓と矢、そしてカタパルト(投石機)の作り方まで載っている。そう、気をつけないと、近所迷惑につながるかもしれない。

小栗さん連載イラスト

この本の影響か、甥は次第にいろいろなアウトドアやサバイバル術を身につけていった。釣りの名人でもあり、誰よりも早くテントを張れるので、キャンプ場で大活躍と聞く。けっこうなことではないか。

「しつけ」は結局「サバイバル」につながる!?

最近、再び「若者と躾」について考える機会に恵まれた。きっかけは親しい人の進学だ。友人の息子は、育った日本を離れてアメリカの大学に入り、寮生活を始めることが決まった。送別プレゼント、どうしよう?親元を離れて、ひとり遠い外国まで行く。そこで他人に囲まれる。その他人のうちのひとりがルームメートになる。恐ろしい人と同居せざるをえなくなるかもしれないぞ。心配!

 

この際、ためになる本を差し上げよう。本屋に入って、最初は「寮生活」や「海外で大学」に関する書籍を見で探していたけれど、どれもぱっとしなかった。よく考えれば「寮生活=サバイバル」なので、サバイバルの棚へ。すると、『完全版 自給自足の本』が目に飛び込んできた。これに決定!

 

内容に含まれているのはたとえば、かごや陶器の直し方や家畜の育て方、畑の耕し方など。その部分はすぐ役に立たないのは認める。でも、ワインやビール作りの方法もあった。大学生なら、少なくともこの部分にはきっと興味がわくはず。手縫いも載っているので、ボタンつけができるようになる。便利、便利。

「生きるための知恵」を授ける素朴なカルチャーを大事にしたい

 一般に「教養」と言えば、「古典文学や芸術に対する造詣」という意味合いが真っ先に浮かんでくると思う。でも、「身を美しくすること」が「躾」の根底にあるなら、DIYで道具や玩具を作る知識もその範ちゅうに入るはず。若者も大人も、そういう素朴なカルチャーにもっと目を向けるべきだと思う。

 

教養を身につけたいなら、「いつでもどこでも生き残れるための教養」も、お忘れなく!

文/トニー・ラズロ イラスト/小栗左多里

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