歌舞伎は日本古来の伝統芸能です。いざ観に行くとなるとちょっとしり込みしてしまうというか敷居が高く感じでしまいます。ですが、普段見ているテレビドラマには多くの歌舞伎役者の方が出演されています。
お気に入りの役者さんがいればその方の出演している歌舞伎を観にいってはいかがでしょうか。歌舞伎といえば、銀座にある明治22年に開業した歌舞伎座が有名ですが、日本の各地にホールがあり、有名な歌舞伎役者さんも巡業しているのです。
■初めての観劇では
歌舞伎を観るとなると、日本古来の伝統芸能ということもあり、やはり和装の方がふさわしいのかしらと考える人も少なくありません。
実際に歌舞伎の観劇者の中には和装の方も多くいます。高級レストランなどにあるようにドレスコードといった類のものはありません。よほど奇抜な格好でない限りは和装でもお洋服でも、どちらでも大丈夫!ですが、観劇するのは自分だけではないですから、周囲の人たちの迷惑や邪魔になるような服装は避けておいたほうがよいでしょう。
例えば帽子や髪型です。自分の後ろの人が歌舞伎を観るのに邪魔になってしまいます。こういったマナーがしっかりと守られていれば問題はないのです。 また、初めての観劇では誰が誰かわからないといったこともあるでしょう。歌舞伎の場合、隈(くま)取りといった特殊なメイクをします。そのため、違いがわからないといった人も多いのです。ですが、初めて歌舞伎を鑑賞する方であっても主人公は自然と判断ができるので安心です。テレビでも俳優業をしているような人気の役者さんが主役をされる舞台をみれば一目瞭然。あとは何度も足を運んでいると隈取の模様でもわかるようになってくるのです。もちろん知っている役者であれば声でも判断は可能ですね。
■事前に準備しておきたいこと
歌舞伎は舞台で行われるのですが、その観劇にはチケットを購入します。そのチケット代は、席の位置によって金額が大きく異なります。
舞台の真ん前の特等席が一番良い席ですので、さすがにここは1番良い値段になります。公演等でも異なるのですが、歌舞伎座で1等席は1万5千円くらいです。目の前でみると歌舞伎の迫力が感じられ、その素晴らしさを実感できることでしょう。しかし、一般人がそう何度も足を運べるような金額ではないですよね。2等席で1万千円、3階だとA席が5千円、B席が3千円ほど。
う~ん、やっぱり初心者にはちょっと高いかも…と思った方も多いはず。
ですが、ちょっとした工夫でもっとお得に観ることも可能なのです。 一部の劇場にしかないのですが、一幕見席というのがあるのをご存知でしょうか。舞台からは遠くなってしまうのですが、その日の一幕だけをみることができる席となっていて、なんと価格は千~2千円ほどと、とってもリーズナブル。舞台から遠くはなってしまいますが、初めて見る方や、興味はあるけれど予算があまりない方、ちょっと観てみてみたいという方などにはおすすめの席です。
そこで必要になるのが双眼鏡やオペラグラスです。遠い席からの観劇には最適のアイテムです。歌舞伎以外でもコンサート等で使用されている方も多いですよね。これがあれば遠くからでもはっきりと見ることができるのです。 また、歌舞伎の演目で古典の場合、その物語の一部だけが演じられることがあります。知らない話の一部だけ演じられても頭に入ってこない…なんて可能性もあります。ですから歌舞伎を鑑賞する前には観に行く演目の物語の概要やあらすじをある程度知っておくことも、初めての歌舞伎を楽しむための大切なポイントとなります。こんな方におすすめなのが、筋書きと呼ばれるプログラム。A4サイズの冊子で、あらすじや登場人物の説明などが書かれており、目を通しておくことで演目の理解に役立ちます。
ちょっと驚きなのが、最後のオチまで書かれている点です。なぜ結末まで書いてしまうの…?と疑問に思う方も多いかと思います。しかしコアな歌舞伎ファンにとっては、オチまで知っている物語を役者がどう演じるのかが、役者の腕の見せ所であり、歌舞伎の醍醐味でもあります。ですから、ネタバレといった概念そのものがないのです。