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■対象者と対象になるサービスについて

幼児教育無償化の対象となるのは、市町村から保育の必要があると認定された3歳~5歳の幼児と、住民税非課税世帯の0歳~2歳の幼児です。 住民税非課税世帯とは前年合計所得が各自治体の設定した金額以下の人、未成年者や障害者などで前の年の所得金額が125万円以下の人、生活保護を受給している人の世帯のことです。 幼児教育無償化の対象となるサービスについては前の項で触れました。10月からは保育所と認定こども園、障害児通園施設といった基本的な保育施設の利用料が無償化されます。 幼稚園と幼稚園の預かり保育、認可外保育園といった認可外のサービスについては補助が出ますので、それぞれの施設の利用料から補助金を差し引いた金額を負担することになります。 一方、現段階では認可外保育として届け出されていないサービスや幼児教育としての基準がないサービスは無償化されない方針で検討されているようです。 具体例は団地などで個人や団体が子供を預かるサービスと子供英会話教室、未就学児を対象としたインターナショナルスクールです。


それらの施設の運営元が反対活動をしていることもあり、正式には決まっていませんが注意しておきたいところです。

■幼児教育無償化のメリットとは?

幼児教育無償化が開始されると幼児教育にかかるお金が少なくなる点がメリットと言えるでしょう。少子高齢化が叫ばれて久しいですが、政府としてもようやく幼児教育について対策を打ち出したところで評価できると思います。 しかし待機児童の解消はまだ進んでいません。さらにこれからは認可保育園が無償化されるということで、無認可保育園の経営が圧迫されてしまう弊害も予想されます。 幼児教育無償化の開始に伴い今後とも認可保育園に入りたいという人はますます増えそうですが、自治体による審査はこれまで通り行われると予想されますので狭き門になるでしょう。 認可保育園の落選率を計算したところ、特に3歳児の落選率が高いという結果が出た調査もあります。3歳からの幼児教育を無償化のメインとしている制度であるのに3歳児が落選しやすいというのではあまり恩恵を受けられないかもしれませんね。 少子高齢化を受けて女性も働き手として社会に出るようになり、夫婦共働きがマジョリティとなった現在も子供を預けられず苦しい思いをしている人が数多くいます。 子供を預かる保育士の不足と待遇の悪さも問題となりました。これから保育士の賃金が引き上げられるとされていますが、十分な対策かどうかは不明です。 とはいえ、幼児教育無償化が開始されれば家庭の負担がいくばくかは減ることが確かです。家庭にゆとりが生まれれば経済的な問題で進学を断念する子供も減っていくのではないでしょうか。 子供と子供を育てる社会についてはまだ問題がありますが、制度についてよく知り、各家庭にとってベストな道を模索してみるのがよいのかもしれません。