昔の父系制の家族制度では、他家に嫁いだ娘の子どもである「外孫」に対し、家の跡取りの子どもを「内孫」と呼んで尊重し、扱いにも差があったようです。いまではその差はなくなってきたかわり、「娘の子」と「嫁の子」とで差別されることも…果して本当に「娘の子の方がかわいい」のか? 姑の本音を垣間見てしまった妻たちのお話です。
とっさのときに本音が出る(康子さん/31歳/教師)
内孫であるうちの息子も、外孫である義妹の息子も、平等にかわいがってくれる姑。お菓子の数やお年玉の額なども、きっちり平等にしてくれていました。 ところがある日、実家にお邪魔した日のこと。二人の孫が庭で遊んでいたのですが、それぞれが逆方向に走り出し、同じように転んでしまいました。
そのとき…あわてた姑がとっさに走り寄ったのは、義妹の息子のほう。どちらも視界に入っていたと思いますし、どっちがより危ないという点では、むしろ道路に近いうちの子のほうが危険だったくらいです。
すぐに「◯◯ちゃんも大丈夫?」と、うちの子のことも心配してくれましたが、とっさの場面ではやはり本音が出てしまうものです。普段の「平等アピール」も、実は…なんて思ってしまいました。 まあ、差別しないように気をつけてくれているだけでも、いい姑なんでしょうけど。ちなみに今回の件、旦那には被害妄想だと言われましたけど。
内孫の入院より外孫の発表会(愛さん/30歳/雑誌編集者)
うちには男女の双子がいます。2歳になったころ、旦那の出張中に息子が高熱を出して入院することになりました。娘は病室には立ち入り禁止で、連れて行くことはできませんが、誰も面倒を見てくれる人がいない。
そんなとき思い浮かんだのが姑です。普段から「双子は大変でしょう。なにかあったら呼んでね」と言ってくれていましたが、これまでなんとか頼らずにやってきました。今回ばかりはどうしようもなくなった私は、姑に初めてSOSを出しました。
すると「あら、ごめんなさいねー。今日は◯◯ちゃんのピアノの発表会に行く約束してて…」と…入院する内孫より、義妹の子どものイベントが大事という、まさかのお返事。こんなピンチに助けてくれないなんて、じゃあ「呼んでね」なんて言うなよ!
怒りを通り越してあきれてしまいました。娘は保育園のママ友の家に1泊させてもらい、事なきを得ました。それ以来、姑には頼らず、近所に住むママ友と助け合って育児しています。
外孫だけにこっそり生前贈与(多佳子さん/38歳/銀行員)
旦那には姉がふたりいます。どちらもバリバリのキャリアウーマンで、姑も育児をしながら仕事をこなしてきた人。舅と旦那はおっとりしているので、完全に「女性主導」の家です。 義姉たちは里帰り出産をしていることもあり、姑は娘が生んだ孫がかわいくてしかたない様子。「赤ちゃんのころから一緒だからね」と何度も当時の様子を語ります。
義姉たちはしょっちゅう帰省していますが、私たちはお盆や正月に帰省するくらい。なので、うちの子どもはいつまでも〝お客様〟扱いで…姑なりに気を遣っているのでしょうが、居心地は良くありません。 小学校に上がってからは、さらに疎遠になっていきました。そんなとき「姑がこっそり孫名義の生前贈与を始めている」と、旦那が聞きつけてきました。もちろん、うちの子どもにはそんな話は一切ありません。
待遇だけならともかく、同じ孫なのにあからさまな差をつけられると、こっちも仲よくはできません。老後はうちの夫ではなく、義姉たちを頼ってくださいね。
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文/矢島みさえ