<2.遺品整理の時期>
遺品整理をするのに最適な時期、というのはあるのでしょうか?
その答えは「遺品によって変わる」というのが最も近いです。
先ほども言いましたが、遺品の中でも「遺産」は早急に処理する必要があります。
例えば相続放棄の手続きは死後3カ月以内にしなければならず、その判断のためにも遺産の状態を調べる必要があります。
相続税の試算も、遺産の状態がわからなければできません。
遺産ではない遺品の場合は、そこまで急ぐ必要はありません。
前述のように、故人が賃貸物件に住んでいて、早急に部屋を退去する必要があるのでなければ、相続人同士で相談して、都合の良い日に行えばOKです。
一般的には、故人の魂が今生から離れる四十九日、遺族が悲しみから立ち直り元の生活に戻る百か日、1周忌など、故人の関係者が集まりやすい日にちに行うことが多いようです。
ここで注意点を1つ。
「遺品整理は、必ず相続人全員で行うこと」
他の人に一任されたならともかく、家が近いから、一緒に住んでいたからなどという理由で勝手に遺品整理を行ってしまうと「もらおうと思っていたものを処分された!」などトラブルの元になります。
全員で部屋を片付けながら、「形見や再利用品として残すもの」と「廃棄するもの」に仕分けていきましょう。
物資のない時代を生き抜いたお年寄りの方の場合、山のようにモノがあふれていることも珍しくありません。
1人でそれを整理するとなると、膨大な時間がかかってしまいます。そういう意味でも、1人ではなく複数の方がいいのです。
仕分けが終わったら、故人の思い出話に花を咲かせながら、形見分けをしていきましょう。
廃棄するものについては、自治体の指示に従い、ゴミとして処分するか、遺品整理業者や廃棄物処理業者に引き取ってもらいましょう。