<3.形見分けをつつがなく行うため、注意すること>
形見分けは、そもそも相手に喜んでもらうための、いわば善意の行いです。
それなのに、どちらにも不快な思いが残ってしまうのはイヤですよね。
最後に、トラブルの起こらない形見分けを行うための注意点をまとめました。 ①遺産分割後に行う
遺産相続を完了させ、形見分けの品を遺産からきちんと分けた後に行いましょう。 ②無理強いしない
中には形見の品を受け取らない方もいます。単に遠慮しているだけかも知れませんが、本当にいらないと思っているかも知れません。無理強いはしないでおきましょう。 ③形見の品はきれいに
洋服や着物などはクリーニングに出し、アクセサリーや時計は乾いた柔らかい布で拭くなど、少しでも手入れをして、相手に喜んでもらえるようにしておきましょう。 ④目上の人には確認を
目上の人への形見分けは、昔は失礼なことだとされていました。
今はそこまでマナー違反という認識はありませんが、それも人により違います。
目上の方に形見分けをしたい場合は、事前に問題ないかどうか確認をしておく方が賢明です。 ⑤相続放棄している人には形見分けをしない
相続放棄は、故人に資産と借金があり、トータルして借金の方が多いと判断できた場合など、遺産も相続しないかわりに借金も背負わないと宣言することです。
形見分けで高価な品を渡してしまった場合、相続放棄が無効になってしまう場合があります。
どうしても何かを渡したい、という場合は相続放棄の手続きを依頼した弁護士などに、相談してみましょう。 ⑥形見の品はラッピングしない
形見の品はプレゼントではありません。
そのままか、懐紙で軽く包むくらいで十分です。 ⑦故人との関係が分からない人には形見分けしない
形見分けは、遺族の好意によって行われるものです。
明らかに故人と関係が深い人のみにお渡ししましょう。 形見分けがうまくいくと、遺族にとって悲しみから前に進むための一歩となるでしょう。旅立った故人もきっと喜んでくれるに違いありません。