<2.形見分けで起こるトラブル事例>
形見分けは、故人の思い出の品を相手に渡すことで、相手も喜び、喜んでくれた相手を見て渡した方も喜ぶ、と本来なるべきなのですが、中には形見分けによってトラブルになってしまった例もあります。
ちなみにどんなトラブルがあるのかというと、 ①故人との関係が不明な相手が、形見が欲しいと名乗り出て、形見の中でも比較的高価なものを要求してきた。 故人が資産家や事業主であった場合、交友関係の全てを遺族が把握しているわけではありません。
生前に「形見分けリスト」を作って、形見の品の行き先まできちんと決めてから亡くなる方もいらっしゃいますが、一般的には誰に何をあげたらいいのか、遺族が全部決めなければならないというのが現状ではないでしょうか。
そこに付け込まれないようにしなければなりません。 ②欲しいと思っていたものが、既に処分されていた。 形見分けは、通常遺産分割の手続きが完了した後に行われます。
そうしないと、トラブルの元になるからです。
分割手続きの中で、遺族は遺品を整理・確認するのですが、その過程で遺族にとっては金銭的にそんなに価値がなく、特に思い入れのない品などは処分されてしまうことがあります。
遺族には価値がないものでも、もらおうと思っていた相手にとっては、とても価値のあるものだった場合、相手にも遺族にも禍根が残ってしまうことがあります。 ③形見分けしたものが高価なもので、贈与税がかかってしまった。 形見の品の中には、時計やアクセサリー、絵画など、高価なものである場合があります。
相手に良かれと思って渡したら、贈与税を払うはめになってしまった、ということもあるのです。