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酒税関係法令等の改正によって、発泡酒や第三のビールといわれるものが登場し、ビールの売り上げは減少しています。ですが、近年あるビールが注目を集めているのです。 クラフトビールと呼ばれるもので、大手のビール会社を始め、小規模の醸造所までいろいろなところで作られているのです。地域限定で作られている地ビールというものありますが、それとも違っているのです。クラフトビールとはどんなビールなのでしょうか。

■クラフトビールの定義

日本では酒税関係法令等によってビールが定義されています。そのため、ビールと発泡酒、また、第三のビールといわれるものとの違いは明確になっています。課税の関係で明確にする必要があるということです。 ですが、ビールとクラフトビールの違いについては、明確に分類されているわけではありません。酒税関係法令等ではなくても明確な定義があるわけではないのです。 日本では明確な定義がないのに対してアメリカではきちんとクラフトビールであることの条件があるのです。Brewers Associationという団体で定義されており、Small、Independent、Traditionalという3つの条件があるようです。 簡単に大手メーカーのビールとの違いを考えて見ると、大手メーカーのビールは安定供給されているものであるという点と、どこでも同じ味のビールが入手できるといったことも大切になります。 一方でクラフトビールに関しては、醸造の時期、また、醸造量が決まっているものが多いのです。季節限定の商品や何かとコラボした商品など、1回きりで終わってしまうものも少なくないのです。

■クラフトビールには多様性がある

大手のビールや地ビールと比べると、クラフトビールの場合はかなり多様性があるようです。大手のビールはその種類もそれほど多くはありません。また、地ビールに関してもそのスタイルはドイツのものである場合がほとんどなのです。 ですから、地ビールに関してもブームの時にビールの醸造所は増えているのですが、そのスタイルはほとんど同じであまり多くはないのです。 ですが、クラフトビールの場合、スタイルに固執するということがありません。造りたいものを造っているので、醸造家の数だけそのスタイルがあるということになります。さらに、その醸造家がいくつも蔵風呂ビールを造るとなると、さらにそのスタイルは増えていくということになります。 大手ビールとクラフトビールの違いがあるとすれば、大手ビールはいつでもどこでも普通に飲めるビールであり、クラフトビールは時と場所が限定された、その瞬間だけのビールということになるのかもしれません。