便の状態を見るトイレの画像

自分の“便”をじっくり見る機会はあまり多くはありませんよね。しかし世の中には、日々“便”の色や臭いを観察して記録をつけている人も。何の目的でどこを見ているのか、“観便”の奥深い世界を覗いてみましょう。

自分の便の状態が健康のバロメーターに?

観察日記をつけている人も

トイレの後、便をあまりよく見ずに流していませんか? ある人は毎日自分の便を観察し、観察の結果は日記に記録しているそうです。「みなさんはどうしてますか?」と相談したところ、“同じ行為”をしている人から声が上がりました。 「便チェックは毎日してます。観察日記もつけているのは神経質かな?」


「便は健康のバロメーターだと思ってるから、じっくり見るって程じゃないけど色のチェックだけはしてますね」


「私もやってますよ。アプリで記録もつけてる」


「毎回チェックしてます! 出血がないかどうかだけは確認してる」


「臭いが強くなると、食生活を見直すタイミングだと思ってます」

 

アレを観察するなんて信じられない!

排泄物の不潔なイメージから、「便をじっくり観察するなんてムリ!」という意見も少なくありません。 「出たと同時に流してるけど… あまり見たいものじゃないよね」


「絶対見たくないな~! むしろ見えないようにすぐ流しちゃってるよ」


「たとえ自分のものでも気分悪くなるから、じっと観察は無理だな…」


「観察とか信じられない! まっすぐ見られないよ」 他にも「素人目には血便と痔の違いもわからないでしょ」「健康診断の時に調べれば十分」など、“意味がないのでやっていない”という声も。

便の状態を観察する際のポイントとは

色や形、臭いに注目

医薬を開発する「日本ケミファ」公式ホームページによると、自分の便をみる“観便”は健康チェックのチャンスになるかもしれないといいます。自分の便を観察する時は、どこに注目するといいのでしょうか? まず「理想的な便」として紹介されているのは、「バナナの色と形をした便が1~2本程度肛門からするりと出て、肛門を拭かなくても良いくらいの便」です。便を「重要な情報源」と語る同ホームページでは、他にもさまざまなタイプを挙げていました。硬くて甘栗のような形の便を「コロコロタイプ」、やわらかく水分が多い便を「泥水タイプ」などと名づけて特徴を解説。「硬さ」だけではなく「色」「臭い」などもよく観察して、「いつもと違う」便が出た時に発見するのが大切だそうです。

見るのは便だけじゃない!

また排泄物を健康のバロメーターとする時、観察するのは“大きい方”だけではありません。同ホームページでは、「色」や「量」などから明らかな異常を発見する「おしっこチェック」を紹介しています。しかし大量に汗をかいた後や水分を多めに摂るだけでもすぐに変わってしまうので、尿については「ちょっとした変化は、気にする必要はありません」とのこと。

課金の代わりに「うんこ報告」? 話題の“観便ゲーム”

ストレートすぎる名前の団体「うんこ学会」とは

世の中には“便の観察”による健康啓発団体もあります。その名もド直球な「日本うんこ学会」。ホームページには「日本うんこ学会」という題字が、勢いのある達筆で楷書されています。インパクト大のトップページには同団体の理念が。 ・正しいうんこの知識を普及させ、国民の大腸健康度の向上を目指します。


・「先生うんこに行ってきます!」が自然と言える社会を目指します。 主な活動は「大腸癌知識普及を目的としたヘルスケアアプリ『うんコレ』の制作」「医療情報を楽しく分かりやすく発信」などの他、「ヘルスケアを扱う団体との交流・協力活動」と書かれていました。 同団体は普段から医療情報に興味を持ってもらうための手段として、“観便”用のアプリを開発。課金の代わりに「うんこ報告」をすることでゲームを進め、毎日の排便にアドバイスも返ってくる仕組みです。クラウドファンディングで360万円超の支援を受けたことでも話題になりました。 健康情報のひとつとして、恥ずかしがらずに“便”の話題を出せる日がくるのかもしれませんね。

 

文/長谷部ひとみ