突然ですが、あなたは、「晴れ」と「曇り」の違いを知っていますか?

 

「雨」と「曇り」の違いは分かりやすいのですが、「晴れ」と「曇り」の違いって、すぐにピンと来ないですね。

 

答えは、「雲の量」なのだそうです!

雲が空全体の80%以上になったときが「曇り」。

つまり、雲が80%以下であれば、「晴れ」なのだそうです!

 

そんな、理科の授業のような切り口で、「子育て中の母親の怒り」について書かれた書籍があります。 その名も、「東大・京大生を育てた母親が教える つい怒ってしまうときの魔法の言い換え」。 7月に発売された、母学アカデミー学長・河村京子さんの書籍です。

 

とても学び深い内容だったので、ご紹介いたしますね。

 

笑顔予報の法則

まず、上記の「晴れ」と「曇り」の違いについてですが、河村京子さんは、これを「笑顔予報の法則」と名付けられています。

 

子育てをしていると、「お母さんはいつもニコニコしていなければならない」という、無言のプレッシャーがありませんか? でも、それってとっても難しい。 何故なら、我が子といえども自分とは別の人間で、大人にとっては当たり前のことがそうではなかったり、予想外の出来事が次々と起こったりするからです。

 

そんなとき、「いつも笑顔でいなきゃ」と思うことが、それができないことが、余計に母親の心を苦しめてしまうのです。

 

そこで、こちらの「笑顔予報の法則」。(以下、書籍より抜粋、加筆)

 

「怒り」「雨」

「無表情」「曇り」

「笑顔」「晴れ」

とした場合、

雨が降らずに雲が80%以下であれば、「晴れ=笑顔」ということになります。

一日のうち、8割は無表情でいいとしたら、少しは気が楽になりませんか?

2割だけ笑顔であればいいのです。

 

この本には、そんな内容で、子育て中のお母さんが、ホッと楽になるメッセージがたくさん書かれています。

 

実際、筆者はこれを知ったとき、とても心が軽くなりました。 見かけによらず?瞬間湯湯沸かし器の筆者。 そんな自分を変えたくて、「怒らない」系の書籍は何冊も読んだことがあります。 しかし、

・怒ってもいい!

・〇〇の言い方を△△に言い換える

という書籍はあっても、

・子どもの脳の発達に合わせて、年齢別に対応や言い方を変える

・子育てコーチングの要素を取り入れた言い換え

という切り口の本は、なかなか見かけません。 以下の項目では、その魅力についてお伝えしていきますね。

 

えっ、怒ってもいいの!?

書籍の中で、河村京子さんは、

「怒ってもいいから、ブレない子育てをすることが大切」と表現しています。

 

問題なのは、「怒るという行為」そのものではなくて、「今日も子どもを怒ってしまった・・・」と、お母さんが自己嫌悪に陥ってしまうこと。

このとき、お母さん自身の自己肯定感は下がっています。

(子どもをあんなに怒ってしまって、私はダメな母親だ)

そうすると、子どもの自己肯定感も下がってしまうんですね。

(お母さんを困らせる、ダメな子どもなんだ)

 

自己肯定感が高い親が子育てをすると、子どもも自己肯定感が高く育ちます。

 

この書籍は、小手先だけの「怒らない技術」を教える本ではありません。

「子どもの自己肯定感を高く育てる」ために、「怒る行為」だけをやめるのではなく、

・子どもへの声かけの仕方

・発想の転換

・ブレない軸をもつための意識の仕方

について、様々な角度からアプローチしています。

 

子育てコーチングの要素も取り入れられているので、

・今日からすぐに

・我が子の年齢に合わせて

子どもへの声かけを実践することができますよ。

 

なぜ、怒ってしまうの?

そうは言っても、いつも怒られていると、子どもは委縮して、のびのびと過ごすことができなくなってしまいますね。 怒るよりは怒らない方が、親子で気持ちよく過ごせるというもの。 それなのに何故、怒りの感情は沸いてしまうのでしょうか?

 

本書には、

・「怒り」の仕組み

・「怒り」は身を守るために必要なもの

・脳の仕組み

・“「怒り」のバケツ”と“感情はサンタの袋”

といった視点から、「怒りの感情」について分かりやすく説明されています。 脳科学者や教育専門家ではなく「一人のお母さん」だからこその独特な発想、とても興味深いですよ。

 

魔法の言い換え術

自己肯定感の高い子に育てるために、母親の声かけを大事にしていきたい。。。 そこで登場するのが、「魔法の言い換え」術!

 

本書のメインであるこの項目では、

子どもの年齢に合わせて、また、

・セルフイメージの大切さ

・アイメッセージ

など、子育てコーチングの要素を盛り込みながら、分かりやすくまとめられています。

 

子育て真っ最中のお母さんは、ゆっくり本を読む時間をとることも難しいですね。 この書籍は、具体的な言い換えの例が見開きになって一ページにまとめられています。

家事の合間に、お子さんがお昼寝している間に、スキマ時間を利用して、気軽にササッと目を通すことができますよ。

 

怒りのエネルギーを置き換える?

「魔法の言い換え」術を、その通りに実践することができたなら、「怒らない子育て」をすることができるでしょう。

 

でも、

「頭では分かってるんだけど、その実践が難しいのよ~~!」

というのが本音であり、日々の子どもとの日常ではないでしょうか。

 

この書籍には、そんなお母さんが、今日からすぐに実践できる! 具体的なアイディアも記載されています。

 

筆者にとって最も参考になった箇所は、

「怒りのベクトルを変える3つの裏技」というコラム。(この書籍には、本編以上に、コラムやあとがきに素敵なヒントが盛りだくさん!)

 

その名も、

・地蔵作戦

・暖簾に腕押し作戦

・天井から自分を見る

の3つ。

 

大切なのは、怒りたくなる状況になったときにこれらを実践しようとするのではなく、穏やかでいる状況のときに、これらをイメージして訓練しておく、ということです。

 

日頃からイメトレしておくことによって、イザその状況になったときに冷静に対応できますね。 これは、「防災訓練」と同じ効果があると思います。

 

また、読み進めるにつれ、「怒りを鎮める」ことではなく、「そもそも怒るようなことではない」という意識に変わっていくのが、この書籍の魅力でもあると感じます。

 

まとめ

「東大・京大生を育てた母親が教える つい怒ってしまうときの魔法の言い換え」、 いかがでしたか?

 

河村京子さんも、学んで訓練する前までは、怒りっぽくて自己中心的な人間だったんだそうです!

 

「生まれもって穏やかな人にとっては簡単よね~」とナナメに構えてしまいそうなところですが、「昔は短気だったけど怒らないようになった」というように、振れ幅が大きいほど、「訓練によってモノの見方や捉え方を変えることができるんだ!」と、身近に感じることができますね。 「今日から私も怒らない母になる!」と自己暗示をかけて、実践してみませんか?

 

・ついカッとなって我が子を叱責してしまい、寝顔を見ては自己嫌悪に陥る・・・

・生意気になってきた我が子に、どんな声かけをしたらいいか分からない・・・

 

そんなお母さんは必見!ぜひ、手にとってみてくださいね。 筆者も修行の真っ最中。一緒に、楽しく子育てをしましょう!

20160902-1

<文献>

「東大・京大生を育てた母親が教える つい怒ってしまうときの魔法の言い換え」

著者:母学アカデミー学長・河村京子

価格:1,300円(税込1,404円)

発行所:株式会社イースト・プレス

CHANTOママライター/ささきけいこ